あらすじ
桑田ミサオさん98歳、笹餅づくりと手を動かす暮らし
ミサオさんに宿る神様と仏様が、人として生きることの尊さを、優しく語りかけてくれました。-作家小川糸
「餅っこひとつで、こんなに喜んでくれるんだば、一生続けようと思った」
「神仏は自分自身の中にあるものじゃないかなって。大切なのは自分自身で」
「みなさんに、いつも感謝の思いでいるんだけども、幸せっていうのはね、結局自分が思う気持ちじゃないのかな」
ー本文よりー
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
ミサオさんは笹餅のスペシャリストだけじゃなかった!
なんでもござれのスーパーおばあちゃんだ。
美味しいご飯は作るし、編み物だって上手。
俳句だって素敵。
食材も、物も大事にするし、信仰心もあるし。
あっぱれです。
Posted by ブクログ
著者の本、2冊め。
ほんとにいい顔してる。笑顔がいい。
笹餅も何年もかかったこだわりの作り方だけあってその笹の緑の鮮やかなこと。
あんこのなめらかなこと。お餅の柔らかそうなこと(写真からでもわかる)
おかあさんが素晴らしい方だったんだね。手先が起用でなんでもプロ裸足で作ってしまうとこも似たんね。
秋田弁もいい。
Posted by ブクログ
青森で60代になってから笹餅づくりを始め、その味が評判を呼び、90代になっても現役で作り続けているおばあちゃん。
固くならないように、餅の食感が滑らかになるようにと、それはそれは試行錯誤を繰り返し、誰もが食べたくなるような仕上がりになっていったようです。
そのために、本当にすごく手間がかかっています。現代、色々なものが機械化され、オートメーションで作ることが主流になっていますが、それでは実現不可能.だからこれほど人気が出る味が出せるのだな、と思います。
聞き語り形式の本ですが、その中で方言なども交え、人柄もにじみ出ているように感じました。90代になっても、数カ月かけ、柔らかく形の良い笹を求めて、自ら何ヶ所もの山の中の笹藪に入って笹を求め、餅の口当たりが良くなるように、業者任せではなく、自ら機械を購入し、通常は1回の粉挽きを、さらにもう1回粉を挽く、並々ならぬ餅や食べてくれる人のための愛情と情熱を感じました。
母親からの生きる上での教えを大切に生きてこられた姿勢も素敵。
手仕事で色んなものを作り出す事がとても素晴らしいことだと改めて感じました。
いくつになっても丁寧に、笹餅に限らずいろんな場面で人を喜ばせる彼女はお化粧や特別なおしゃれをしていなくても、とても輝いて見えました。
Posted by ブクログ
2020年6月2日、NHKテレビ「プロフェッショナル 仕事の流儀」に笹餅を作る職人として登場。小豆の栽培や笹の葉とりに始まって、すべてをひとりで。それを30年。放映時は93歳。笑顔がなんともよかった(困った時も!)。
本書はその5年後、2025年刊。現在のミサオさんへのインタビュー(というかモノローグ)と写真。笹餅作りの現役は引退したが、お元気そう。よかった。
ただ、ミサオさんは標準語でしゃべっている。まるで東京山の手のハイソなご婦人のよう。齢を重ねた、とつとつとした、五所川原訛りの津軽弁、そのトランスクリプションであってほしかったな。
Posted by ブクログ
75歳で起業し、笹餅の製造販売で有名となり、たくさんの表彰も受けられた著者の、98歳の心境などを綴れ語られています。インタビューに答えるかたちで作られていますが、ところどころにインタビュアーに対する気遣いが感じられるところも、著者の素朴な人柄にほっこりさせられるものがありました。笹餅の作り方を、レシピだけでなく、手のかけ方についても語られており、売れた理由がそこから読み取れます。笹餅以外にも、漬物であったり、そうめんであったりといった、日常の食事の作り方も披露されていて、食べるということを大切なことであるという視点を思い出させていただきました。おばあちゃんの知恵がたくさん詰まったものとなっています。