あらすじ
「全部、俺の手で教えてやりたい」
実らぬ恋だと思っていたら、彼にぐいぐい関係を進められ――
「お前が思っているよりずっと、俺の愛情は重いぞ」
両親に結婚を急かされた令嬢の明日華は、長年片思い中の上司・実樹也と成り行きでお見合いすることに。破談前提で臨んだ彼女だが、予想外に婚約が決まり…!? それでも実樹也にとって、これは愛のない政略婚だと思っていた明日華。だけど彼は、会社での厳格ぶりを忘れるほどの蕩ける笑みで、明日華を搦めとるように甘い熱情を注いできて――。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
真面目で実直、そして少し不器用。
そんな“カタブツ御曹司”のヒーローが、理性の奥に秘めていた熱情を解き放つ瞬間に、ページをめくる手が止まらなくなりました。
最初は形式的で淡々としたお見合いから始まる関係なのに、互いを理解しようとする時間の中で、少しずつ積み重ねられていく心の距離。
その誠実さがいつの間にか愛しさに変わっていく過程が本当に丁寧に描かれていて、読後には“人を大切に想うこと”の意味を改めて感じました。
ヒーローは決して器用ではないけれど、愛する人を想う気持ちだけは誰よりも真っ直ぐ。
一見冷静に見えて、実はヒロインに触れるたび理性を失ってしまう姿がもう最高でした。
「真面目な人ほど恋に溺れると危険」──そんな言葉がぴったり。
普段とのギャップがとにかく甘く、言葉の端々から滲む独占欲と抑えきれない情熱に胸が熱くなりました。
ヒロインも決して受け身ではなく、相手を尊重しながらも自分の気持ちに正直になっていく姿が素敵。
二人が惹かれ合う理由が“本能”だけじゃなく“信頼”で繋がっているからこそ、ラブシーンも温かくて優しく、愛に満ちたものでした。
読んでいて「この人なら幸せにしてくれる」と自然に信じられる、そんなヒーローです。
本郷アキさんらしい、上品でありながら芯の強い恋愛描写が光る一冊。
“破談覚悟のお見合い”というタイトルの裏に、真面目すぎる男の一途な想いと、抑えきれない愛の衝動が隠されていて、
最後まで「カタブツ御曹司、最高!」と心の中で拍手していました。