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Posted by ブクログ
随分、古い本に手を出し始めました。
実は一時期、これの漫画化されたものを連載している雑誌を買っていたことがあったんですが、その時は途中から読み始めて、前の作品を読む機会がなかったので、面白そうな話だなあ……と思いながらも、全然、意味もわからず読んでいて、それはさすがにまずい気がしてきたので、ようやく小説を読み始めました。
タクミはある過去から、人間嫌いで、実家にいるのも苦痛で仕方がなくて、全てを諦めてしまっている。
ところがギイはそんなタクミのことがきになるらしく、二年生に上がり、寮で同室になったことをきっかけにタクミに自分の思いを伝えてくる……という話でした。
話としては、一冊丸々、というわけではなく、それぞれのシーンに合わせた小編の小説が5つ。
今でいうところのネット小説くらいのボリュームで、一気に読まなくていい、ちょうどいい量です。
また、時代が時代なのか、直接、タクミとギイの話じゃなくて、素敵な脇役の章三くんが実家に帰ったときの話が載っていたり……(別にBL要素があるような内容な……くらいのレベルの話で)
今だったら「これいるの!?」って起こられそうですが、その当時はそういうのも含めて、BL……というかJUNEだったんだろうなあ……。
面白いです。
肝心の話の内容は、とんでもなく長いシリーズもののはずなのに、この一冊で、ギイとタクミは付き合い始めて、タクミは自分の過去をあっさり許しちゃうって感じで、そんな簡単な話じゃないだろう……って呟きたくなるレベルなんですが、まあダメではないです。
それもこれも「ギイがいてくれたから」って魔法の呪文があるから許されるんだろうな……と思ってみたり(タクミ自身も、読者に対しても)。
随分昔の話なので、時代背景と、作者さんの腕の未熟さも感じられますが、そういうところまで楽しめたらいいと思います。
さて、物語の過去の半分を消化してしまってから、ここからどうなるかが楽しみです。