あらすじ
第12回ハヤカワSFコンテスト優秀賞受賞作
団地ホラー×ギリシャ神話×SF大作
「最近、少しずつ人が、消えているのです……」
団地で頻発する怪異を撮影する下流役者・佐枝子の前に、異界の扉から恐るべき物語が溢れ出す。
売れない役者の佐枝子は、ホラー映画脚本家の紹介で、都内の団地で頻発する怪奇現象を調査するドキュメンタリー映像のレポーターを務めることになった。さっそく当該の団地で寝泊まりした朝、窓から外を望むと、隣接する公園で四つん這いの大男を棒で打つ女と、双眼鏡でこちらを窺う怪しいファミレスのウェイトレスを目撃する。不気味に思いながらも周囲の人々に話を聞くと、団地のあちこちで大蛇が這いずったような跡が見つかり、管理人や住民の奇行が目立ち、行方不明者も出ているらしい。さらに、10年前に老婆が何者かに殺されて以来、呪われていると噂の部屋に赴くと、『666』から始まる走り書きと浴室にびっしりと生えた黒い大きなウロコが……第12回ハヤカワSFコンテスト優秀賞に輝いた、ギリシャ神話の世界が現実を侵食する団地ホラーSF大作。
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Posted by ブクログ
いやあ。ギリシャ神話+SF+ホラー、いろいろ設定がぶっ飛んでて良かった。ただ、その分全体が荒い感じがした。キャラクターの心情、周りの登場人物の行動、感情がとっ散らかったままだったのは気になった。薮崎も、いろいろ駆けずり回って情報集めてたのに結局蚊帳の外で、ミサキに一方的に向けていた栗川のねじ曲がった感情の理由もあやふやなまま。また、主人公である、佐枝子と、この物語きってのチート&ハイスペックキャラのミサキが「ゴーストリー」な関係になったのかが急ぎ足過ぎて、そんな関係になるような感じあったかな?と思ってしまった。更に、佐枝子の口調の、男っぽいようなぶっきらぼうな感じがなんか、わざとっぽく不自然さを感じてた。それがノイズになりなかなか読み進められなかった。
物語は壮大かつ濃密なSFホラー、しかし舞台は団地という限られた場所で、ギリシャ神話に憑かれ役者となり揃い演じていたのに、溢れ出す事なく終幕してしまった。実にあっけない。本当に実に。地下深くで死闘があったことも、何もかもが「無かった」事になってしまった。もっとページ増えてもいいし、何なら上下巻っいいからキャラクター佐枝子以外のキャラクター、ミサキや栗川の過去や薮崎の活躍などあっても良かったのではないかな、と思った。
でも、改めて設定はぶっ飛んでて好きだったので、次回作も期待してる。