あらすじ
細見、黄表紙、洒落本、狂歌絵本……。蔦屋重三郎は、いかに江戸最先端の流行を捉え、庶民から熱狂的な支持を得たのか。喜多川歌麿、山東京伝、大田南畝らとどのような本づくりを行ったのか。江戸文化・風俗に与えた影響とは。具体的な出版物を一つひとつ挙げながら、大河ドラマ「べらぼう」考証者で蔦重研究の第一人者である著者が、「蔦重版」の真髄を解説!
*電子書籍版には一部収録していない資料写真がございます。あらかじめご了承ください。
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Posted by ブクログ
版元・蔦屋重三郎が手掛けた出版物と
それらに関与した人物たちを紹介し、如何に江戸の風俗や
文化に影響を与えたかについて、詳細に解説する。
・はじめに
第一部 吉原の本屋として 第二部 日本橋への進出
第三部 江戸から全国へ
・おわりに
蔦重その人の人物よりも、如何にその分野に彼が関与したか、
そして出版物と関係した人物たちに、焦点を当てている。
機を見てせざるは勇なきなりとばかりに、
吉原の情報発信を手掛け、流行の兆しを察しての富本節の
正本や稽古本の出版、狂歌や黄表紙の大流行の牽引、
往来物の工夫。洒落本の出版。寛政の改革での失態以後は、
地方の需要や和学書の需要を鑑み、書物仲間問屋に加入して
地方への本の流通に視線を向け、民間の学問志向にも応じた。
そして浮世絵の出版にも本格的に参入した。
吉原や俳諧、狂歌での人の縁での、作家たちとの交流と
作品依頼。自由に、或いは版元主導での作品を出版した。
蔦重版の作品が多く紹介され、
解説されているのが良かったです。
著名な朋誠堂喜三二や恋川春町、山東京伝ばかりではなく、
市場通笑や志水燕十、唐来三和、芝全交の作品が
紹介されていたり、四方赤良による戯作と狂歌の入れ込みや
鶴屋喜右衛門との相版での出版があったこと、
曲亭馬琴や十返舎一九の黄表紙、曲亭馬琴の代作の話など、
蔦重版に関する情報が多く掲載されていて愉しめました。