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Posted by ブクログ
山際さんのスポーツに対する切り取り方が画期的だったと思う。
スポーツ、とくに頂点を目指す人間をいかにもスポーツマンというキラキラした世界に閉じ込めず、もっと人間らしいというか痛い部分を描き出している。
もちろん皆と違う頂に登る人間は、それはストイックでいろいろなものを犠牲にしている。だけどこの本の登場人物はそれがその人間のあたりまえだった(よくも悪くも)のだなぁと思い当たらせる。その人たちはその人たちのあたりまえを生きてそこに立った。それしかないというか。
最後の「スポーツはすべてのことを、つまり、人生ってやつを教えてくれるんだ」っていうヘミングウェイの言葉がすとんと腑に落ちる。
普通のスポーツ・ルポでは切り込まないようなどうしようもなく人間臭いところをみせる山際さんの本はほんと好き。
第八回日本ノンフィクション賞受賞作。