あらすじ
本に秘された謎、倶楽部が明かします。
「誰かを不幸にする
名探偵なんていりません!」
圧巻推理に絶賛続出!
人が死なないミステリー
ーーー
大学の一角を占有する謎の団体〈名探偵倶楽部〉。
一員である白兎と後輩の志希は、
路上で倒れた女性にある奇書の謎を解いてほしいと依頼される。
不可解な密室、消えた寄木細工の秘密箱、突如炎上する館。
不可能犯罪の数々が記された書籍「神薙虚無最後の事件」は残酷な真相を指し示すが――。
「誰かを不幸にする名探偵なんていりません!」
緻密で荘厳な、人が死なないミステリ。
【本格ミステリ界激震!】
活殺自在に読者を手玉にとるミステリセンス ーー辻 真先
多重推理の果てに現れる新たな景色 ーー麻耶雄嵩
虚構であろうと虚無ではなく。虚無ではなく。ただ、万雷の喝采を ーー奈須きのこ
読み進めるうち、この謎に本気で挑戦せずにはいられなかった ーー今村昌弘
論理遊戯【パズラー】生まれ、戯言拳闘【メフィスト】育ち。擦り切れ方を忘れかけた、ぼくらのための物語 ーー青崎有吾
名探偵の信念と贅沢な趣向。これは、懐かしくも幸福な玩具【おもちゃ】箱だ ーー阿津川辰海
何と技巧と細工に満ちたデラックスな探偵小説世界か ーー城平京
粗削りながら燦然と輝きを放つ才能の原石。瑞々しく魅力的な多重解決ミステリをご堪能あれ ――知念実希人
※電子版には限定特典として、次巻の「試し読み増量版」を収録しています。
感情タグBEST3
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Posted by ブクログ
ちょっとだけ(本当にちょっと)清流院流水のコズミック的な探偵たちの推理パーティーを妄想してしまった
舐めた読み方をしていたが伏兵が(予想通り)出てきて名推理を披露してくれたので☆4つ、面白かったので続編も予約しました
この作品が、作中作が、名探偵俱楽部が、往年の名探偵たちが全て来栖志希の誕生の為に用意されたものだというのであれば、作者は次回作を矢継ぎ早に生み出す責任があるだろう
Posted by ブクログ
彼女同様に振る舞う美少女ヒロインというラノベの王道展開に安定感を感じる。
多重推理に関しては、一番最初に主人公が披露した推理が一番面白かったと感じてしまったのは僕だけだろうか。エレベーターの謎について最も美しく説明していたような気がして。
全体的に推理が上滑りしているような感覚に陥ったのは、おそらく事件自体があやふやだったから、というか、徹底した不可能犯罪ではなかったからなのかなと思った。『エーデルワイス』の仕掛けは館の管理者は自由にコントロールできてしまうし、そもそも自殺だとすれば事件は容易に説明できてしまうわけだし。その点をもっと厳密にして、たとえば本人では刺せない背中から刺すとか、どの扉でどの音声が鳴るかはコントロールできないとか(それだと最後の推理が成立しなくなってしまうのでもう少し工夫が必要だが)をすれば個人的には頭に入りやすかったのかな、と。
あとは二重人格の使い方だが、二重人格は基本的に禁じ手で、京極夏彦の某作のように、なぜ二重人格が生じてしまったのかという理由の説明は不可欠かなと思う。ビリーミリガン的にスイッチしまくる多重人格ならばなおさら。
だとすれば、二重人格を使わないで本作のトリックを成立させた方が良かったのではないかなというのが個人的な見解で、別に二重人格にしなくとも、たとえば〈当時は女性探偵が流行らなかったから〉とかいう理由で神薙虚無を生み出してしまっても良かったのではないかと思った。
作中作で多重推理という構造は純粋に楽しめた。
Posted by ブクログ
最終的に解くのはきみなんかーい!とツッコミを入れたという。
それすらも、どうやら名探偵の手のひらの上だったようだが。
ある一つの事件について、名探偵倶楽部の面々が各々謎解きをする話。
帯や粗筋にある「人が死なないミステリー」という文言には難ありとして(何しろ殺人事件の話である)
それぞれが展開する推理は荒唐無稽なトリックも含めて面白くあった。
ただそこに辿り着くまでの作中作の小説がお腹いっぱいになるほど厨二病全開で、白兎くんではないけど読むのに時間がかかってしまった。
ただミステリとしては本当にフェアだったと思う。
自分でもトリックが見抜けたので。
予想外だったのはエピローグの展開というか、ある箱の中身か。
それが分かった途端に鳥肌立ったので。
正直エピローグの話はそこまで明らかにせんでもという蛇足感もあったのだが、あのラストは本当によかった。