あらすじ
幽霊文字まであるJIS漢字に、人を殺す交通ルール。クルクル変わる「猥褻」の基準。どう考えても不条理な選挙制度等々、日本社会にはびこるおかしくて愚かなルールや決まりを徹底的に解明する。
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Posted by ブクログ
ルールのバグが如何に混乱を起こすか。1点のしんにょうが2点の略字体だったこと、存在しない文字のJISコードが1%もあること、年金記録がカタナカコード化されたことがあること、PSEマーク騒動が立法時のミスから起きたこと、狭軌のJRが新幹線と同じ軌道幅の阪急とスピード競争をすることの危うさ、等々。 小選挙区で共産党が自民候補を助けていることは、自分もなんとなく感じていたが、2003年に政権交代が実現していたとの指摘には納得。
Posted by ブクログ
前半が少し退屈だったけど、後半から面白くなってきた。
確かに、Winnyの作者が逮捕される理由については納得がいかない。
警察の感情如何で判断されたらたまったもんじゃないな。
酒税については、あまり詳しくなかったのだけれども、
ビールが他のお酒と比べて税率が異常に高いのか。
第三のビールとか何とかは税逃れだろ?
公平性の観点から考えて改正するべきだと思っていたけど、
こういうことなら(そもそも高率)おかしいな。政府側が。
「税金の負担感が少ない」とか…。
厚生年金は半分企業が負担してくれてるからいいとかと同じ思考だな。
もうちょっと物事を丁寧にみることができないものかな。
2009年の衆院選の民主党躍進に、共産党の方針転換が絡んでいた話。
これは『世論の曲解』でも説明されていたやつだな。
裁判員制度で、作者は殺人や強盗致死に関しては、裁判員制度は不要であるのでは?
と提起しているが、どうだろう。刑の度合いの問題があるから、不要とまでは言えない気がする。
ただ、半強制的に参加・他人の人生を左右する決断をさせられることがあるから、
俺はあまり裁判員制度についてよい感情をいだいてはいないのだけれども。
--気になった言葉--
過去のことを言っても始まらないという人がいるが、「取り返しがつかない」ことをしたということを知ってるのと知らないままなのは大違いである。
さらには、マスメディアが間違った誘導をすることで、問題の本質はどんどん隠されていく。そのことを「知る」努力は大切だろう。
自分の一言で殺されるものがいることに思い及ばない人間に、政治をする資格はない。(P177)
官僚たちは、まともな日本語が書けない一方で、自分たちの権力と財産を保全するシステムを作ることだけには頭が働き、ことごとく成功させてきた。(P187)
公職選挙法にとっての救世主であるインターネットを、公職選挙法で排除する。これこそまさに本末転倒、なんのためのルールなのかという「目的」を忘れ、手段を目的化してしまっている。
どうしても「国民の感覚」を裁判に反映させたいのであれば、対象事件は、社会性、公共性の高いものに限定すべきだ。(中略)殺人や強盗致死は誰が見ても悪いに決まってるわけで、犯罪の内容に関する善悪、正邪を問うようなものではない。(P246)
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
漢字の混乱、危ない交通規則、猥褻の基準、公職選挙法…じつは世の中こんなにいい加減だった―。
[ 目次 ]
第1章 日本語のルールはこんなにおかしい(「筆順」をテストされるケータイ絵文字世代;ローマ字が書けますか? ほか)
第2章 交通ルールのバグで殺される(信号機に殺される;「左側通行」ルールで日本はどれだけ損をしたか ほか)
第3章 性風俗は曖昧ルールの九龍城(「風俗」って何?;あるトルコ人青年の主張 ほか)
第4章 法律はお上のご都合次第(メーカーの製品開発力を殺す酒税法;消費税内税表示義務化の闇 ほか)
第5章 公職選挙法という不条理(2009年の衆院選挙で民主は本当に「圧勝」したのか?;「重複立候補」をめぐる矛盾だらけのドラマ ほか)
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
Posted by ブクログ
ルールになっているのに実は非常に曖昧だったり、おかしいところがあったりするものをピックアップしている。
ローマ字は確かに曖昧なルールだと改めて思った。
Posted by ブクログ
<目次>
第1章 日本語のルールはこんなにおかしい
第2章 交通ルールのバグに殺される
第3章 性風俗は曖昧ルールの九龍城
第4章 法律はお上のご都合次第
第5章 公職選挙法という不条理
<内容>
おそらくどの国でもこんなことは多々あるのだと思う。しかし、第1,2章は面白かった。「吾も同じ」と感じた。第3章以降はちょっと…。最初の方のように、あまり気にしてない不条理を追及してほしかった。王道過ぎる…。
Posted by ブクログ
私たちは勝手にルールを作っている(ルールだと思い込んでいる)。そして、ルールを疑わなすぎている。
これが本書の主張であり、読んだ感想だ。とってもわかりやすく記してある。ただ、紹介されている事例にあまり興味を持てなかった(これは私の問題)。
「ほぉー」と唸ってしまったのは、第1章の冒頭「筆順」。よく考えてみればそうなのだけれど、筆順の根拠はあいまいなのだ。昭和33年に文部省は「筆順指導の手引」を発表した。その中には、筆順は学習指導上に混乱をきたさないように配慮したものであって、他の筆順を誤りや否定しようとするものではないということが記されているそうだ(pp.14-15)。
大学の教職課程では「筆順テスト」がある。教育実習でも「筆順」は、至極注意した。筆順を守らなくても綺麗な字が書ければいい。けれども、そんなことを子どもたちに言ったらいろんなところから文句が来るだろう。筆順がおかしいと、嘲笑されてしまう。私も人の筆順をみてバカにしてしまうだろう。筆順に根拠がなくても、これを覆すことは難しい。むつかしいなぁ。
(まっちー)