【感想・ネタバレ】百人一首(全) ビギナーズ・クラシックス 日本の古典のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

学生の頃に暗記した百人一首。
今も多少興味はありつつも、その背景や込められた意味をほとんど知らないなと思い、手に取りました。

・田子の浦にうち出でてみれば白妙の
      富士の高嶺に雪は降りつつ
富士山に雪が積もっている歌…と、漠然としたイメージだったのが、「開放感とともに、青い空と青い海にはさまれた富士山頂の真っ白な風景が、見事なコントラストで、ぐっと迫ってくる。」と読み、この短さでこんなにはっきりイメージできるのか、と驚きと発見でした。
写真を撮ることも、それを映像で共有することもできない時代(絵はあったけど)、目を閉じて歌からその情景を楽しんだ多くの人がいたんだろうと、感慨深い気持ちになりました。

・奥山に紅葉踏み分け鳴く鹿の
      声聞く時ぞ秋は悲しき
秋になると、どことなくもの悲しい、人肌恋しい、と思う哀愁は、当時の日本人も感じていたんだと、遠い昔が急に身近に思えました。
そして「悲しい、侘しいという感覚は、決して悪いことではなく、むしろそう感じていたいという願望の対象でもあった。」という一文に、私もこの感覚だ!と妙に納得。
秋が来たらこの歌を思い出しそう。

・君がため春の野に出でて若菜摘む
      わが衣手に雪は降りつつ
1つ目の天智天皇とこの歌、"露に濡れつつ"なのか"雪は降りつつ"なのか、いつも曖昧でした。
でも「(若菜の)緑と(雪の)白の鮮やかな対象」と情景が目に浮かび、こうして色をイメージしていたらちゃんと覚えられたな~。

どの歌からも、当時の日本がいかに美しかったか(特に秋)、風光明媚な土地に囲まれていたかと想像し、現代にはない風景が羨ましくなりました。

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2022年05月03日

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