【感想・ネタバレ】事件記者、保育士になるのレビュー

あらすじ

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角刈りコワモテの元朝日新聞警視庁キャップが短大保育学科へ入学。お遊戯、ピアノ、教育実習…。63歳、保育士へ転身なるか?

元朝日新聞警視庁キャップが短大保育学科へ。お遊戯、裁縫、ピアノ、教育実習……。晴れて保育士へ転身なるか? 記者として、地下鉄サリン事件、殺人事件、凶悪犯罪を見てきた。なかには子どもが巻き込まれたり、命を落とす事件もあった。あるとき、子どもが虐待で命を落とした事件を捜査した警察官が言った。「捜査で被害者の無念を晴らすことは出来るけれど、生育環境までは手が回らない」。子どもは、無条件で守り、慈しむ存在です。泣いていたら笑わせたい。困っていたら助けたい。ひとり立ちできるまでは支えたいーー。齢63歳、保育の現場に飛び込むことにした。10代の同級生たちや、同年輩の教師陣と切磋琢磨し、実習先で子どもに大切なことを教えられる日々。笑って泣けるセカンドキャリアの挑戦。


著・文・その他:緒方健二
1958年大分県生まれ。同志社大学文学部卒業、1982年毎日新聞社入社。1988年朝日新聞社入社。西部本社社会部で福岡県警捜査2課(贈収賄、詐欺)・捜査4課(暴力団)担当、東京本社社会部で警視庁警備・公安(過激派、右翼、外事事件、テロ)担当、捜査1課(殺人、誘拐、ハイジャック、立てこもりなど)担当。捜査1課担当時代に地下鉄サリンなど一連のオウム真理教事件、警察庁長官銃撃事件を取材。国税担当の後、警視庁サブキャップ、キャップ(社会部次長)5年、事件担当デスク、警察・事件担当編集委員10年、前橋総局長、組織暴力専門記者。

2021年朝日新聞社退社。2022年4月短期大学保育学科入学、2024年3月卒業。保育士資格、幼稚園教諭免許、こども音楽療育士資格を取得。得意な手遊び歌は「はじまるよ」、好きな童謡は「蛙の夜まわり」、「あめふりくまのこ」。愛唱する子守歌は「浪曲子守唄」。

朝日カルチャーセンターで事件・犯罪講座の講師を務めながら、取材と執筆、講演活動を続けています。「子どもの最善の利益」実現のために何ができるかを模索中です。

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Posted by ブクログ

新聞社の事件記者。定年退職後に保育士への道を選ぶ。子どもより下の世代の同級生と一緒に学ぶ短大の2年間。
事件記者を通じて子供が犠牲となる悲しい事件に多く遭遇し、退職後に子どもを取り巻く環境を根本から変えたいという動機には大いに拍手。
LINE、パワポほか世代間のギャップ、自分より年下の講師陣との微妙な関係。一番苦労するピアノなど、ドラマチックな展開の連続で非常に楽しめる内容。
ただし高齢の方特有のダジャレほか、あまりにくどい文体には正直辟易。それを差し置いても楽しめる作品。
そのうちドラマ化されるかもしれない。

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2025年06月29日

Posted by ブクログ

大好きな番組「激レアさんを連れてきた。」で紹介されていて、著者ご本人の人柄と面白さが抜きんでていたので拝読。番組より数倍面白い内容で迷わず評価:5。元々、毎日新聞→朝日新聞でキャリアのほぼほぼすべてを事件を追う社会部記者として過ごした経歴から文章はお得意様。謹厳なる容姿と文体とは180度異なるお茶目な内容と語り口。還暦を過ぎて挑戦し続ける姿勢と、うら若き乙女集団内での右往左往しつつも変わらぬ矜持、爆笑の連続の中に散りばめれた人生訓に最後まで心を鷲掴みにされ、ラストの短大卒業式での乙女たちからの送る言葉とその返答には思わず落涙してしまうほどの感動を覚える。隠れた名作といってよい傑作。。

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2025年06月09日

Posted by ブクログ

定年間近で退職したコワモテの事件記者が、短大で保育を学ぶ。キャッチーな状況だけでなく、真正面から向き合って全力投球された2年間であったのだろうという確かな読み応えを感じました。

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2025年05月08日

Posted by ブクログ

Valuebooksで紹介してたので手に取りました。
もう、笑いっぱなし!
小説家とは違い記事を書く人だからか、身近に感じて親しみを覚える。
それにしても、退職してから短大で勉強するなんて、ホント尊敬します‼︎
YouTubeで、歌も聞けました。 実際のお顔と表紙のお顔がそっくりです!

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2025年05月04日

Posted by ブクログ

おじさんノンフィクションものが好きなのでとても面白かった。

どんな学校でも緒方さんのようなセカンドライフで学びに来ている人がいるほうが勉強になることが多くていいなと思った。

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2025年03月27日

Posted by ブクログ

たいそう楽しく拝読致しました。
新聞社を定年退職した元事件記者が、あろうことか短大で保育を学ぶとな!

どういうこと?と思って手に取りましたが、読んでみたら意外でも何でもなく。この方、もとから子供や小さき者たちが犠牲になる事件に特に心を痛めていらしたのですね。
そして、取材中に聞いた警察官の「被害者の無念は晴らせても(自分たちではそういう被害が起こる)環境を変えることはできない」という一言から、子供相手の事件が起きない社会、環境とは?と、常に考え続け、定年後にその思いを突き詰めるため、一念発起して保育を勉強された、と。

その思いの強さ、感服致します。
育児書を読んでも講演を聞いても揚げ足を取って常に悪態をつくような、泥水みたいな心を持つ私ですが、ただただ「子供は慈しまれるべき、守り育てるべき」というこの方のシンプルな思いはしっかり届きました。

この本を上梓された時点では保育の現場には入られていないそうですが、もしかしたらその方がいいのかもしれませんね。
限られた園で限られた子供や保護者と関わられるのではなく、講演や執筆、記者時代の人脈を活用されたマスコミ活動を通じて、その思いを、大人のあるべき姿を、広く社会に発信して頂きたいと思いました。

この方の学友の皆さんもとても気持ちの良い若者たちでした。娘の保育園の先生たちも、みんな若かったけど本当にこんな感じで愛情深く接してくださったっけ。思わず昔を思い出し、改めて感謝の思いです。

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2025年03月26日

Posted by ブクログ

徹底的に取材をして文字を書くことを生業にしてきた方なので、本当に文章が面白いです。
そして言い回し、語彙、表現方法など、日本語について大変勉強になりました。

いやね、つい最近取引先から上がってきた報告書の日本語が残念な仕上がりで…誤字脱字あり、助詞が不自然、口語と文語の区別を知らないのではないかと疑ってしまうレベルで。
私も偉そうなことは言えないのですが、顧客に提示する文書は何度も読み直して推敲しませんか?
上司チェックしてもらいませんか?

失礼しました。本書の感想に戻ります。

新聞社で長年事件記者をされていた緒方さんが、定年後に保育士になるために短大へ入学します。
若い学生に混じって座学やピアノレッスンを受け、奮闘する様子がユーモアたっぷりに語られます。

巻末のお写真を見て保育士とは思えぬコワモテの風貌に、思わずふふふふふ。

記者時代に子供が犠牲になる事件を多数取材したことがきっかけで、子供を守るために入学されたとのこと。
とても優しく強く、勉強熱心な方であることが伝わりました。

例え相手が指導者(評価者)であっても疑問を感じたら質問する、根拠を求める姿勢は素晴らしいと思いました。
同級生たちが頼りにしてしまうのも納得です。
が、困ったときは緒方さんにお願いして指導者に言ってもらう、言えない私たちのために戦ってもらうというシーンが想像できるところが何箇所もあり、何とも言えない気持ちになってしまいました。

惜しみなく同級生を助ける緒方さんの人間力、豊富な人生経験の為せる技ですね。
現在は保育施設等では勤務されていないそうですが、子供の健全な生育のために活動されているようです。
ご活躍を期待します!

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2025年03月10日

Posted by ブクログ

5か条の誓文-野獣諸法度のひとつ『女子学生には「さん」付け、丁寧語で』。手遊び、お遊戯演習で女子学生と手指や体の接触にも気を使う。事前に「触れてもようございますか」と打診の上、許可を得る。今のご時世、悪気がなくても、相手を不快にさせる恐れのある言動はいっさい排除するという行動規範はとても大切。

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2025年05月14日

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