あらすじ
呪物コレクター、そして人気怪談師としてTBSテレビ「クレイジージャーニー」で活躍する
田中俊行が書き下ろした実話怪談集。
怪異を起こす本、呪われた絵、泣き声が聞こえる写真、
いわくつきの手紙、お札でグルグル巻きにされた骨……など
著者が蒐集した「紙の呪物の怪談」を収録。
呪われた紙がもたらす禍々しい怪談の世界を味わってください。
【主な内容】
・骨董屋の主人が入手したお札が貼られた骨。お札をはがすと意外なものが現れる
・「飾ってはいけない」と言われる呪われた絵。著者が引き取った夜、ある夢を見る
・話題になったのは平凡なカレンダーだった。しかし実はある写真にその理由があり…
・古い呪術書を買ってみたところ、夜に不思議な人物が現れる
・骨董屋の主人に譲られたのは門外不出の写真。夜に写真から泣き声が聞こえるという 他
【目次】
紙が怖い
呪術書
呪いの絵
紙に包まれた曰く物
青い目の人形
頭骨とお札
ティッシュ
黒龍
ブリタニカの英語教材
お香の匂い
台本と体育館教室
地獄絵図
謎のお札
一冊だけ
折符
祖父の絵
カレンダー
隠された紙
心理学の本
卒業アルバム
旅館の掛け軸
旅先のノート
古本屋の話
紙が重い
星に光る薔薇の痣
赤い紙
紙の神様
紙と黒い影
死体写真と封筒
書肆ゲンシシャ
血の桶で頭を洗う女
カルテと診察券
まん丸のカチカチ
読まれない手紙
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
オカルトコレクター・田中俊行氏の怪談集。2024年作品。二見書房から出版された田中氏単独著書怪談集は前年の『あべこべ』に続いて2作目。
前作は、田中氏が語る怪談の代表的なものを中心に収録していましたが、今作では全ての怪談に「紙」が登場する怪談集となっています。
単に曰く付きの紙、というだけではないので、各怪談の、どこで「紙」が出てくるのか、と、楽しみになります。
中には、画布紙ではないのでは?というものもありましたが、それも含めると、まあ、全てに「紙」は登場しました。
呪物コレクターの田中氏らしさが良く出た怪談集になっていたと思います。
前作でもあった、ラストの一文で余韻を残す、という手法は、今作でも発揮されていました。
田中氏の文才を感じましたね。