あらすじ
「知らなかった」で誰かを傷つける、その前に。
タブーなし。きれいごとなし。
マンガと対話形式でするする読めて、まるっとわかる。
日本一社会課題に詳しい東大卒・元「問題児」、8年ぶりの著書。
報道番組MCとしても活躍する、お笑いコンビ「EXIT」推薦!
・「無関係と見ないふりしてきた社会の闇に光を当てる一冊。」(りんたろー。)
・「迷いがちな現代の道案内人。」(兼近大樹)
現場で得られた15年の知見を、「入門編」として7トピックに凝縮。
①子どもの虐待 虐待事件に「悪者」はいない
②発達障害 社会が変われば「誰が障害者か」が変わる
③ホームレス 道で寝ているおじさんたちは、働く気があるのかね?
④選択的夫婦別姓 別姓で「家族の絆が失われる」ってほんと?
⑤ジェンダー トイレに「異性」がいても受け入れられるか?
⑥外国人労働者 「時給300円人材」がいないとスーパーの食材はもっと高い
⑦物価高 あなたが「何を買ってどう生きるか」が社会をつくる
個別の課題に興味がなくとも、これを読めば、身近な違和感とあらゆる社会課題のつながりが見えてくる。
ネットやニュースではわからない、社会の見方を一新する一冊。
これまでにない「社会課題」入門書。
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SNSを開いたり、テレビの報道番組を観たり、今の世の中を生きていると、何かとずいぶん窮屈だ。
繰り返される炎上や誹謗中傷に、辟易としている人も多いんじゃないだろうか。
でも、批判する側もされる側も、本当にそんな「悪いヤツ」なんだろうか?
みんな、一生懸命やっているように見える。
何を考えているかわからない上司も、家に帰ったらけんかしちゃう家族も、テレビで観る犯罪者も、スナップショットで切り取ったら、いけすかないヤツに見える。
でも相手の置かれている状況を知ったら、「あの人もいろいろあるんだな」と思いを馳せられることもあるだろう。どうしたらそのギャップを埋められるだろうか。
この本を通して、 「誰もが一生懸命やっているのに、お互いに悪者に見えてしまう」、そのメカニズムを理解してもらえるのではないかと思う。
(「はじめに」より、抜粋・編集)
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Posted by ブクログ
限られたトピックス、かつ分かりやすく簡潔にするために敢えて掘り下げ尽くしていない一冊だけど、私のように「なぜ抜け出せない人がいるの?」「なぜこんな簡単な議論が政治の世界では進まないの?」という風に、関心はあるが構造を理解できていない…という人にピッタリ。
私は仕事上、結婚により姓が変わったことで海外就労ビザがなかなか降りず、大変な思いをしたことがある。経験から夫婦別姓を望んできたが、いつまで経っても議論が進まない。「一体何が論点で進まないの?」という不満がこの本を読んで少し消化された。過去からの日本の家族構造、そして賛成派・反対派の論じるメッシュの違い…。なるほど、だから進まないのか。
どの社会課題もあれは嫌だ、これは嫌だと政府に文句を言うだけではあまりに他責。ひとりひとりがまず隣人の事として関心を持つこと。これこそが第一歩だと思った。
Posted by ブクログ
表題に対しての回答は、「複雑なネットワーク構造」にある、という身もふたもない結論(気になったら読んでみるとよいと思う)
そこに至る過程は納得感あり。ただ対話形式は私にとっては読みにくい。特に2人の掛け合いが、Qに対してストレートにAを答えないので、速読派としては困った。
Posted by ブクログ
社会課題は、同じような環境に置かれたら、ほとんどの人が自力では解決できない。
現代の社会は
・家庭
・地域
・学校
の3つのコミュニティの共同作業で子どもを育てることが前提だが、それぞれ「核家族化」「周囲の目の希薄化」「教員の多忙化」により衰退した結果、子育ての負担が家庭に偏り、結果として虐待が増加している。
この中で、地域と家庭を結ぶ役割を果たしているのが自治会などの「地区の活動」である。
だから子どもたちを助けるために、行政レベルでは「児相のリソースを増やす」、個人レベルでは「関心」「周囲の目」という社会資源を投入し続けることが求められる。
福祉の世界では「他責」、教育の世界では「自責」なため、二者は対立しやすい。
ホームレスは「ヒト」ではなく、「状態」を指す。
そのため、95%は男性で、平均60歳以上の道で寝ている「ヒト」だけでなく、都内に4000人いるとされるネカフェで生活する状態も含む。
日本の企業は住み込みや寮、社宅など「住居と職場の一体型」が多いため、生活か仕事のどちらかでトラブルがあると、一気に両方を失うリスクがある。
誰もが生きやすいとは、「みんながただ権利を主張する」のではなく、「みんなが権利を主張する代わりに、多少我慢したり、責任をとったりして、なんとかやっていく」ことを指すのではないか。
個々人が主体性を持ち、リスクを取りながら「社会経営」をしていく方法として、「消費」「視聴」「投票」「寄付」がある。