【感想・ネタバレ】見知らぬ男 顔のない男(2)のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

▼あらすじ
天才俳優・飛滝(ひたき)の新作の役柄は、非情な殺し屋。そんな彼を追う主役の新米刑事に抜擢されたのは、飛滝の恋人で新人俳優の音彦(おとひこ)。初の主役は嬉しいけれど、完全に役になりきる飛滝と、憎みあう芝居をするなんて…。飛滝が役に取り憑かれることを心配する音彦。その予感は的中、リハーサルに現れた飛滝は危険な匂いのする、見知らぬ男になっていて!? 
バックステージLOVE。   

***

ストーリーの完全度:非常に高い
トーン:あまあま・せつない
エロ度:普通
萌え度:非常に高い
総合評価:★5.0

『顔のない男』シリーズ、第二巻。
今回も期待を裏切らない面白さでした。前回の二人は兄弟という設定でしたが、今回は音彦が警察で飛滝が殺し屋という設定。しかも、今回は映画ではなくドラマです。
前回とは打って変わって敵同士、恋人同士なのに憎み合う芝居をしなければいけないのが面白かったですし、それが二人の破局を狙っての桐生の策略だというのも面白かったです。(意外にも桐生本人は一度も本編に登場しませんでしたが)

前回の飛滝は良くも悪くもキャラが掴めないというか、何を考えているのか分かりづらい印象でしたが、今回は飛滝の内面や過去などがしっかりと掘り下げられている為、1巻のような謎めいた印象は減り、飛滝惣三郎というキャラが少し身近に感じられるようになりました。飛滝が普通にしているシーンが多かったのも理由の一つです。
中でも飛滝が涙を流しながら自分の気持ちを語ったシーンは強く印象に残りました。全てがセピア色で見える中、音彦だけが極彩色で見えるって、私はこの美しい表現を、多分一生忘れないだろうなと思います。(剛先生はこういう心に残る文章を書くのが本当にお上手だ…)

因みに今回は前回よりもラブ度が上がっていて、飛滝が音彦を甘やかしまくるんですが、飛滝って恋人としては完璧なんだけど、どこかちょっとズレてるんですよ(笑)
日常生活の中で、それこそテレビを見ながら音彦が何も考えずにぽろっとこぼした発言を飛滝はずっと覚えていて…ランプの魔人と音彦が喩えてましたが、まさにその通りですね。
例え音彦にその気がなくても、口にすれば飛滝は全力でその望みを叶えようとするので、音彦は飛滝の前では迂闊な事は言えないなと自重するのです(笑)
ただ、そんな飛滝が私は凄く好きなんですけどね。やっぱり攻めは受けに尽くしてなんぼだと思うんで!(笑)

しかし、いくらラブ度が上がったと言えど今回のストーリーは役の設定上、二人は敵同士。
憑依型俳優の飛滝が役に入り込んだら殺し屋として本気で音彦の事を憎むようになるのでは…?と思っていたのですが、飛滝が提案したリハーサルのおかげで全てが上手くいくんです。いっそ読んでいて気持ちが良いほどよく出来たシナリオだったと思います。

それにしても、殺し屋役の飛滝はいかにも危ない男!って感じでそれはそれで素敵だったな…(笑)
ドラマの撮影が終わった後、嗚呼、これでもうあのワイルドな飛滝は見られないのか…と少し残念に思っていたところで最後にまさかの展開が待っていて、読みながらニヤニヤが止まらなかったです(笑)
私が飛滝に惹かれるのは、こういう茶目っ気があるからなんだよな〜と改めて思いました。(エッチの時に飛滝が部屋を真っ暗にする理由も何気に可愛かった笑)

次は飛滝が渡英して海外ドラマの撮影に挑むそうなので、今度はどんな展開になるのか楽しみです!でも次で最終巻だと思うとちょっと切ないな…。
次はどんなに面白くても一気読みせず、出来るだけ少しずつ、時間をかけて大切に読みたいと思います!( ̄^ ̄゜)

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2022年06月08日

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