あらすじ
保育士の沙弥子は結婚の約束をしていた恋人に振られ傷心の日々を過ごしていた。そんなある日、幼馴染みのエリート外科医・慧がアメリカから帰国し、いきなり沙弥子にプロポーズしてくる。突然のことに返事をできないでいると、『お試し結婚』を提案されて強引に結婚生活がスタート！ すると彼はあの手この手で沙弥子を甘やかし、夜は一途で激しい愛情をぶつけてきて、まさかの子作り宣言まで!? エリート外科医に求愛されまくる幼馴染み溺甘ロマンス！ ※電子版は単行本をもとに編集しています
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Posted by ブクログ
保育士として働く沙弥子は、長年付き合っていた恋人に婚約を破棄され失意の中にいた。
そんなある日、アメリカで外科医として活躍していた幼馴染の慧が突然帰国。
そして再会早々、いきなりのプロポーズ。
高校時代に交わした「30歳を過ぎても独身だったら結婚しよう」という冗談のような約束を本気で果たしにきた慧に、戸惑いながらも流されるように“お試し結婚”がスタートする。
最初は“幼馴染だから安心できる”という気持ちが大きかった沙弥子だけど、家でも職場でも彼の優しさや誠実さに触れるうち、
次第に慧の視線や言葉が胸の奥を熱くしていく。
恋愛を遠ざけていた彼女が再び恋を知っていく描写がとても丁寧で、当麻先生らしい“心を溶かしていくような優しい恋愛”が味わえる一冊。
慧はまさに王道のエリートヒーロー。
外科医という立場ながら沙弥子の前では一人の男として、
とにかく大切に、そして確実に距離を詰めてくる。
一途でストレートな言葉に思わず頬が緩むし、
「逃がさない」という覚悟が滲む溺愛ぶりが最高。
横槍があってもブレない姿勢はまさにヒーローそのものでした。
個人的には、慧がどうして今まで行動を起こさなかったのか。
“近すぎて壊したくなかった関係”として描かれていて納得。
だからこそ、三十路を迎えた今ようやく手を伸ばす慧の言葉に重みがあって、
長年の想いが報われていく過程がじんわり染みました。
子どもを望む展開も、ただの肉体的な欲求ではなく、
「家族になりたい」「彼女のすべてを守りたい」という慧の想いが感じられて、
優しさの中に強い独占欲があるのが魅力的でした。
結婚後や出産後のエピソードも読みたくなるくらい、
ラストの余韻が温かくて優しい作品です。
