【感想・ネタバレ】メロディアス~異形コレクションLVIII~のレビュー

あらすじ

〈音〉や〈音楽〉をモチーフに異形な物語を集めた15篇を収録。読者の皆様を《世にも異形》でメロディアスな世界にご招待! 全篇書下ろしシリーズ、58作目。〈収録作家〉阿泉来堂 井上雅彦 空木春宵 坂崎かおる 澤村伊智 篠たまき 斜線堂有紀 田中啓文 梨 西崎憲 久永実木彦 平山夢明 宮澤伊織 木犀あこ 芦花公園

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Posted by ブクログ

異形コレクション、音・音楽がテーマということで今回初めて読んだのだが、どの作品も面白くて好きなネタしか流れてこない回転寿司かよ。になった。様々な角度の切り口の話が並んでいることもそうだが、収録話の並びも秀逸。個人的には平山夢明「楽庭浄土」、空木春宵「h〇le(s)」、芦花公園「ヨナにクジラはやって来ない」の並びが特によかった。
にしても、芦花公園先生の書く日常からシームレスに「異常」になっているあの感じ、「あぁ、もうこれは最悪なことにしかならない」という文章のグルーヴ感が最高すぎる、、、好き、、、
あと、篠たまき「軸月夜」、木犀あこ「蜻蛉の眼鏡は」に出てくる額田先生が癖に刺さって情緒がめちゃくちゃになった。

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2024年12月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

音楽や音をテーマにした物語たち
音は耳から入ってくるものだが、それを文字で聞かせてくれる。匠の技、お見事です
この一冊に流れてる音は、文字の世界だからこそ感じられる怖さ、痛さ、心地よさなのだろう

【不思議】合唱中に謎の声が聞こえる!?音楽史に残る不思議な話「天使の声」について解説【恐怖】.mp4 『梨』

作者の名前の短さに反比例したタイトルの長さ
束の間、この一文をタイトルと認識できずにいた。ネット動画のタイトルを紙の上でみると結構場違い感ある
後で読んだ井上さんの解説で、「ホラーを作るよりも恐怖や気持ち悪い感覚を志向する作家である」に、納得した
動画配信の会話で、前半は勉強になったなーと感じながら、後半にむけてじわじわ不気味になっていく。相当気持ち悪い音なのだなぁ

エリーゼの君に 『坂崎かおる』
私も電話の音が苦手。離れた部屋から聞こえるのはまだ良いけど近くで鳴られると飛び上がりそうになる
連絡網で不登校になっている子に電話するが、いつまでも保留か続き、直接家に伝えに行くもたどり着けない。そこまで責任感じなくても……

『悪いお経はご遠慮ください』 宮澤伊織
祟られ体質の愛美と怪談師ふーこシリーズ
今回もしっかり怪奇現象起きてるのに2人の会話が面白すぎる。愛美の、のほほんとした雰囲気にすごくホッとする。大好き

『軸月夜』 篠たまき
掛け軸の絵に蹴られて踏まれて骨抜きにされたM男の献身的な生涯。M男は言いすぎかな…
篠さんの物語には尽くす男が欠かせないように思う。妙なるしらべ…極楽の音ってエロティックだろうな

『歌声』 阿泉来堂
記憶と視覚をなくした男が聞いた美しい歌声
その正体と自分の耳に起きたことを知ってなおその美しい響きに恍惚し歓喜する
メロディアスのテーマど真ん中の物語に思う


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2024年12月22日

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