【感想・ネタバレ】浄土真宗はなぜ日本でいちばん多いのか 仏教宗派の謎のレビュー

あらすじ

日本の仏教はさまざまな宗派に分かれており教義や実践方法が大きく異なる。にもかかわらず多くの人、とくに地方から都会に出て菩提寺とのつきあいを絶った人は関心を持たない。だが親や親戚の葬儀を営む段になって途端に宗派を気にするようになる。家の宗旨に合った僧侶を導師として呼ばねばならないからだ。そこで初めて「うちは◯◯宗だったのか」と知る。そもそも宗派とは何か。歴史上どのように生まれたのか。本書は、日本の主な仏教宗派を取り上げ、その特徴、宗祖の思想、教団の歩み、さらに他宗派との関係、社会的影響をわかりやすく解説した話題作。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

日本の仏教宗派について詳しく解説している本。
教祖から複雑に枝分かれしているのでとても覚え切れない。
・全部の派を合計すると1,200万人の信徒 26%の寺院数 北陸、広島は殆ど
・真言宗は、高野山で空海が弘法大師として広める。
・単独では、曹洞宗が700万人で1位だが真宗大谷派(東本願寺)等の宗派を合わせると、門徒の数は1200万人に及ぶ。
・近東光と瀬戸内寂聴が天台宗
・日蓮は、伊豆と佐渡2回流罪となる。他の宗派を激しく攻撃。
・日蓮正宗が1700万人いたが、創価学会員を破門にした為小規模となった。創価学会員が出したお金が創価学会を通らず大石寺(静岡県富士宮市)に渡ったことに対する不満蓄積。
・創価学会は戦前に出来た。日蓮宗の僧侶と創価学会幹部が討論会を北海道で実施。池田大作が一方的に勝利を宣言。
・お経 般若心経、自我〇(浄土真宗)がメジャー

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2021年05月09日

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宗教にとても感心のある時期に読んだ本。実家・婚家とも浄土真宗なので、興味深く読んだが、日本の仏教についてよくわかった。

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2012年07月31日

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曹洞宗や臨済宗といった禅宗の場合には、不立文字と言うように、教えを文字にして表現することを戒める傾向が強く、他の宗派を批判したり、攻撃する事はなかった
戦前の昭和15年に、現在の宗教法人の前身となる宗教団体法が制定されるが、それ以前の段階では13宗56派が存在した
宗教法人は認証されるものであるにもかかわらず、多くの人たちは認可されるものと誤解している
比叡山が10世紀末以降、支配下に置いたのが祇園社、つまり今の八坂神社である
南都北嶺は兵僧を抱え、武力を所有することで、独立性を保っていた
織田信長の比叡山焼き討ちや豊臣秀吉の検地や刀狩りは、寺社勢力から領地や兵力を奪い、世俗の権力の支配下に置く試みだった
親鸞の場合には、妻帯しており、血筋によってその信仰が伝えられていった。これは、他の宗派にはない浄土真宗の特徴である
戒名に関しても、浄土真宗はそれを法名と呼び、必ず釈の字を含む

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2022年05月31日

Posted by ブクログ

ネタバレ

p9
南都六宗>法相、倶舎、華厳、律、三論、成実。
天台宗>
法華系……日蓮宗→日蓮正宗
禅系…曹洞宗、臨済宗→黄檗宗(おうばくしゅう)
浄土系…融通念仏宗、浄土宗→浄土真宗、時宗

p20
奈良時代、僧侶が官僚の時代で宗派は学派に近かった。
国の試験で正式な僧侶に。持統天皇時は10名。
奈良の東大寺は南都六宗+天台真言の「八宗兼学」の寺。

p23
鎌倉時代。
法然が浄土宗を起こす。念仏以外の教えや実践を聖道門と呼び、念仏で極楽浄土を目指す浄土門を目指した。
法然を批判した日蓮が法華経への信仰以外を否定。
禅宗の曹洞宗や臨済宗は不立文字(ふりゆうもんじ)と言うように教えを文字にして表現することを戒めたが、他の宗派を批判することはなかった。
p24
江戸時代、寺請制度で檀家制。
昭和15年の宗教団体法で28宗に。宗教法人は認可ではなく認証。

p30
聖徳太子の法華信仰。
仏教とヒンドゥー教の習合した密教は護摩を焚いたり祈祷したりする儀礼等が用いられる。
浄土真教はインド仏教(輪廻苦)には無い極楽転生。
禅は瞑想の一種。現世利益や浄土往生などの実利効果ではなく、精神安定や生活規範として機能し、武家に好まれた。茶道や花道、武士道に影響。

p71
天台本覚論の中の草木成仏…植物が芽生え花や実をつけ枯れるまでの過程が仏道修行の過程と重ね合わされ、さらに草木はそのままで成仏していると解く。中国にも存在したが、日本ではあらゆるものがそのままで仏になっているとする徹底した現実肯定の思想に発展した。この思想の背景には古代的なアミニズムの考え方がある。そのままで成仏しているなら改めて修行する必要は無いことになる。本来仏教は釈迦が家庭を出家したように、現実の価値を否定する現世拒否の必要を特徴としている。が、日本では草木成仏の考え方が広く受け入れられた。能楽には草や花が主人公となっている作品があり、一神教の人間と動植物を激しく区別する考え方とは相容れないものである。宗教そのものの存在意義を否定しかねない。日本人の無宗教の根底はここにある。

p199
創価学会と日蓮宗の関係

p218
現在の仏教式の葬儀の基本は曹洞宗が作り上げたものである。修行の途中でなくなった雲水を弔うための亡僧葬儀法が一般の在家信者の葬儀にも応用された。死者に対して剃髪の真似をしその上で戒律を授け戒名を与える。それが葬儀の中で最も重要な部分になっている。
この葬儀の形式を取らない宗派は浄土真宗と日蓮宗である。死者を出家させると言うやり方を取らない在家中心。僧侶と在家との間に根本的な区別はないため。
戒名に関しても浄土真宗はそれを法名と呼び、必ず「釋しゃく(尼)」の字を含む。日蓮宗は「日(女性なら妙も)」の字を必ず含む。

p225
浄土真宗の寺院の総数は2万カ所を超える。寺院総数がおよそ77,000カ所なのでおよそ26%。なぜこれほど浄土真宗は日本の社会に浸透しているのだろうか?簡単に言えばそれは庶民の信仰だからである。
p227
浄土真宗では親鸞が非僧非俗の立場をとることを鮮明にし自ら妻帯し子供ももうけた。浄土真宗では血縁を通して信仰が継承される。日蓮宗の場合は僧侶と俗信徒との間は明確に区別されている。

近代、浄土真宗の歎異抄についての再発見。

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2021年10月23日

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他の方も書かれているように、タイトルについてはキャッチですね。最後に慌てて「あぁ、タイトルの内容書いとかなきゃ」的に記述がありますが、基本は日本の仏教史ダイジェストです。

それはそれで、学校では教わらない内容、どこかに肩入れすることなく、一歩引いた立場からの解説で大変面白く読み進めることが出来ました。世代的にも親世代が遠からず亡くなっていく年齢にさしかかっているので、この先接するコトになるであろう仏事に備えた下ごしらえの第一歩としては悪くないと思います。

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2012年06月27日

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最近身近な人が亡くなり、宗教について考える事があり読んでみた。特に浄土真宗を信仰しているわけではないが、各宗派の成り立ちがわかった。タイトルの「浄土真宗は、、、」の答えは最後の最後に書かれている。浄土真宗は信徒の数1200万人を超えている、寺院は2万を超え、全国の総寺院数の約20%だという。理由は庶民の信仰だから、具体的な救済の手段が備わっている事。それは、称名念仏「南無阿弥陀仏」。又親鸞が「非僧非俗」の立場をとり、妻帯した事が血縁によるネットワークを広げた等々。最後に今は葬式仏教で寺は安泰だが、団塊の世代が亡くなった後、葬儀が減ってきた時に仏教宗派はどのになっていくのかと終わっている。無縁社会と言われる昨今、宗教という物をほとんど考えずに生きてきた世代は何を選択するのだろう。

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2012年06月17日

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