【感想・ネタバレ】最後のレストラン Dante 4巻のレビュー

あらすじ

偉人×グルメファンタジー『最後のレストラン』新シリーズ! 時を超えて偉人を招く不思議なレストラン『Dante』。顔にやけどを負う高校生の“ねがい”はDanteで働きながら、17世紀からの訪問者・ジュリーや、同級生で美術部員の飾西と出会い、人生を変えていく。この導きは、神の救いか・悪魔の囁きか――。第4巻は、ロバート・エドワード・リー様、景浦將様、チャーチル様、ジョン王様、エティエンヌ様がご来店!!

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

このページにはネタバレを含むレビューが表示されています

Posted by ブクログ

ネタバレ

この(4)でも、来店している歴史上の人物たちが、これまた、クセ強め。
歴史の教科書に名前は太字で書かれているけど、英傑や異人たちと比べると、目立っている訳でもなく、微妙な立ち位置。
そんな彼らの生き様を貶したり、嘲笑ったりするのではなく、一つの選択や視野の狭さが、得られたモノを得られず、また、手離す結果になった、とシニカルに説いている。
何度も書いているが、この辺りの、ブラックユーモアのセンスは勉強にさせて貰っている。
来店している客のチョイスも良い塩梅だが、この(4)では、店側にも新キャラが登場している。
まず、別荘の管理を任されている根広さん。『真・女神転生』好きにはお馴染みのネビロスなのは間違いないだろう。これからも、ちょいちょい、出番があると嬉しい。
そして、ジュリーがねがいと同じ高校に通い出したので、新たなスタッフとして呼び出されたのが、『FGO』であれば、アサシンのクラスになるであろう、「殺しの天使」を異名を持つ、シャルロット・コルデー。
世のためにならぬ者を殺したがるってヤバい一面を持っているが、どうも、それは、短剣を持っている時だけのようで、基本的には、聡明で穏やかな性格の様子。ある意味、ギャップが萌える新キャラだ。
このコルデーが、ねがい達に、どのような影響を与え、逆に、どのように変化していくのか、は楽しみだ。
ねがいと葛西の仲も、トラブルを経る度に深まっていくので、この二人がどうなっていくのか、そこも関心が大きい。

この台詞を引用に選んだのは、一理あるな、と思えるものだったので。
人の幸せになりたい、不幸になりたくないって気持ちに優しく寄り添い、堕落させていく悪魔のトップクラスが言うからこその説得力だろう。
不運な人の境遇に胸を痛める、その優しさ自体は悪い事じゃない。
ただ、負い目から、自分が幸せになる事に抵抗を抱くのは、少し違う。
どんな生まれであろうと、基本的に、人は幸せになっていい。
生まれで、幸せ、不幸せは決まったりしない。
生まれてからの生き方で、人間は勝手に、幸せにも、不幸せにもなる。
自分の出来る事、やりたい事で、人間は自分だけの幸せを掴んでいるに過ぎない。
幸せになりたいなら、不幸せになりたくないなら、他人に必要以上に気を遣わず、ガムシャラに正しく生きていくしかないんだろう。
「ン~、フフフ、そりゃあ、もう、幸せになることに遠慮などいりまセン。生物とは皆、多かれ少なかれ、他者を犠牲にして生きているものデス。その中で、多少、貧乏クジを引くくらい、どうということないはずでショウ。幸せも不幸せも、人間にとっては余計なものに過ぎまセン。その程度の価値しかないのデス。幸せだから、不幸せだから、と負い目を感じる必要はありまセン。それより、自分にできることをやるほうが、ずっと有意義デス」(by明日太郎)

こちらも似たような感じの説得力を感じたので、紹介させて欲しい。
明日太郎の持論に対し、ミカエルが一定の理解は示しながらも、真っ向から、対極の意見をぶつけているのも、また興味深い。
天使、そのトップであろうとも、全ての人を救えるわけではないし、救おうとしてはいけない、と考えている。
歴史が大きく変わってしまえば、人と言う種そのものに致命的な影響が出かねないから、接触は最低限以下にしなければならない、と。
一方で、力はあるのに、人を救えない無力さも、ミカエルは痛感しており、どこか、人間臭さも滲み出ているのが良い。
「これ以上、歴史に干渉することをおやめなさい。今は微修正で済んでいますが、あなたたちのしてることは、危険な火遊びです」
「では、あなたが彼を『救って』みますカ?彼のために何かできることがあるト?
ン~フフフ、できるわけありまセンよねぇ?無理なのデス。幸福も不幸も、人間が勝手に自分の中だけで生み出す幻デス。ある幸福は他社の不幸を呼び、ある不幸は他人の幸福となりマス。公平・平等を口にしている者が手出しできる話ではありまセン」
「ですから、人は『立ち向かう力』、『変えようとする姿勢』のほうが大切なのです。力の及ぶところでのみ働けばいい。己の力の及ばぬところまで動かそうとするから歪むのです」(by明日太郎、ミカエル)

この台詞もまた、印象的だ。
神の忠実な使い、として存在しながらも、誰よりも、自分と神の無力さを痛感し、そして、人がいつまでも自分達に縋る現状に歯がゆさを感じている。
もうちょい、肩の力を抜いて生きられたら楽だろうにな。
「『もみの木』の童話は、今、そこにあるもので満足するように説いた説話ですが・・・人がもし、ただ、そこにいる、それだけで満足できるようになったら・・・神は不要になるでしょう」(byミカエル)

0
2026年10月04日

「青年マンガ」ランキング