【感想・ネタバレ】聖なる黒夜(下)のレビュー

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読んでいる間ずーっと黒夜にいる気分で、ここから幸せに向かうことはないだろうな、何かを背負って生きていかなくちゃなんだろうな…と思いながらも読み進めたくなる話。

韮崎から練への重すぎる愛の感情とか、
及川の麻生への愛の感情とか、
麻生から練に対する感情とか…
どこを切り取っても激重で、地獄だけど
んな風に人を愛せるのがどこかで羨ましいと思ってしまう自分もいた。

特に韮崎が山内の前だけでは、感情がどうしようもなくコントロールできなくなってしまうっていうのがめちゃくちゃ良いよね^ - ^


ずーーっと黒夜にいる気分だったのに、最後の一文が『窓の外の長い夜は、街灯に照らされて、随分と、明るかった。』で終わるのがあまりにも良すぎて鳥肌たった。

私立探偵・麻生龍太郎の方もぜひ読みたい!!

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2024年02月05日

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韮崎を殺した犯人と、麻生の奥さんを奪った犯人、どちらも中盤くらいで読めてしまったので残念。

練と麻生に、また別巻で会いたいと思った。

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2022年12月23日

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上下まとめて。

痛くて痛くて胸が苦しくなる。
強くて美しく脆い練を想わずにはいられない。
書き下ろしもとても良く、胸に秘められた蝶が情景に浮かぶ。
どう考えても壮絶な人生。好きになってはいけない人を好きになってしまう。付かず離れず。諦めた方が楽だけど、やっとの思いの一筋の光。
韮崎や全ての人に情があるから、変わりなんていない、一人一人を想う練は、捻くれてしまっているが育ちの良さはあるよなぁ。

麻生はいいキャラしてるなと。自分の行いに矜持があるが故、まさか練のことに限って誤認するはずがないと認めるにも認められないもどかしさがまたしんどかった。
ぱっと華があるわけではないけど、人を惹きつけて焦がれてしまうような人であり。

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2022年08月07日

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後半は一気に読んでしまった。
麻生さんが過去に練にしたこと、そして忘れてしまったことを知ったときには思わず「麻生ーーー!!!」って叫びたくなった。及川さんとの関係もそうだけど、麻生さんは本当に罪深い人だなって思う。

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2018年11月28日

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1000p越えの長編小説は本当に久しぶりに読んだけれど、全く長いとは感じなかった…!犯人の目星が徐々に現れ出したあたりからは徹夜を決め込んで一気に読み切りました。読み終わった後の満足感は半端じゃない。とにかく、凄いものを見た。知ってしまった。という感じ…。

徐々に明かされる過去の事件の真実や、暴かれる陰謀、裏切り。全くもって予想出来ない展開に、愛憎渦巻く人間ドラマなどは刑事モノの小説としてこれ以上無いほど楽しめました! 一方、恋愛小説として一部の層から熱烈な支持を受けている作品でもあることにも大いに納得できます。かく言う私もそういったレビューを多数見かけて気になって読み始めた口だったけれど、想像以上に濃厚な描写には驚きました。

ここでクローズアップしたいのが、やはり“山内練”という人物の存在。30代半ばで個人企業会社の社長。栗色の柔らかい髪。女のような顔立ちだがボクシングで鍛え抜かれた強靭な肉体を備え持つ。体臭は白檀の香り(重要)。ヤクザの世界に半分以上足を浸からせ、頭の回転は誰よりも速く、一旦怒らせると手が付けられない。裏の世界の頂点に立つことも過言ではないほどの脅威を持つ男。警察や周りのヤクザからは「悪魔」とも呼ばれている。 その反面、夜が怖く、深い眠りにつけない夜を過ごし続けている。元からアルコール中毒だったようだが、韮崎が死んでからは益々拍車が掛かっている様子。韮崎との思い出を回想しては涙を流していて寂しがり屋なのかも。しかも淫乱で、気になる相手とは片っ端から寝たいのだとか…。ただ、それも独りの夜の寂しさを紛らわせる為のものなのかもしれないなぁ…と思うと切ない。

自分が殺されるかもしれないという一大事に麻生の家で料理を作って玄関でお迎えしていたところなど、本当に、ただただ「愛しい」と感じてしまいました。上巻は割とツンツンしていたのに、麻生が構ってくれないと拗ねたり、下巻はやたらと麻生にくっついて甘えている姿が多く見られて愛しさも倍増。突然「お前が欲しい」と直球な告白を麻生にぶつけたり。屈託のない子供のような無邪気さで話していたりしている姿は色んな意味で胸が締め付けられるほどかわいい…。突然現れては散々相手の心を掻き乱し、気付いたらいなくなる。まるで気紛れな野良猫みたい。いや、「天使」かも? 「悪魔」と「天使」両方の顔を持つような彼、だからこそ周囲の人々は皆、山内練にどんどん惹きこまれてしまうのか、ほぼヤクザみたいな存在だけど、裏でどれだけ汚いことをしていたとしても、命を懸けてでも彼のことを「守ってやる」と言った麻生の気持ちも分かってしまう…。

サイドストーリー『歩道』については、内容は少し出来すぎな気もしますが、もうすでにこの時から物語は始まっていたのかと思うと色んな意味で胸熱…まさか初恋だったとは…。 また、逮捕される前の学生時代の練の過去にも触れられていて、静かながらも平穏で、ささやかな幸せや未来への期待などを淡く抱いていた日々。それら全てをこれから失うことになるのかと考えると本当に辛すぎます…。 『ガラスの蝶々』は麻生視点のお話。韮崎事件後、練の姉・雛子と共に練の故郷を訪れます。 練の姿と重ね合わせたような、ウスバシロチョウの描写は美しかったです…。

儚くて気紛れで、いつ手元から離れていくのかわからない存在。そして、一度見失ってしまうと二度と見つけられなくなってしまいそうな存在。
がんばれ麻生…。 そして、どうかこの2人に幸あれ…。

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2017年09月29日

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また好きな作家さんが一人増えた。
分厚いうえに分冊なのにサクサク読めた。
「このシーンやせりふいらないんじゃない?」って思う個所も少なくないのに、読ませる力がすごい作品。

冤罪、刑務所での悲惨な暮らし、大事な人を失う絶望、復讐、後悔、DVなど普段なら避ける内容なのに練や及川、ほかの魅力的なキャラに惹かれて一気に読んだ。
練の、麻生が自分のもとに墜ちればいいって言葉は本当にそうだと思う。
麻生からしたら絶対やくざになるなんて嫌だろうし、練に堅気に戻ってくれって気持ちも分からんでもないが、本当に練への償いをしたいならありのままの今の練を受け入れるしかないように思えてしょうがなかった。
再審請求したところで、練の人生も練の兄の命も帰ってこないことをどれだけ麻生は分かっているのか疑問。
あくまで法に則ったけじめをつけたいってことなのか。刑事だし。
練とは違った意味で恋愛体質?で高潔だけど独善的なとこがある麻生に、モヤモヤした。

少しでも早く、練の人生に夜明けが来るように願ってやまない。

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2023年09月13日

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匂い系どころかガッツリBL(ML)じゃないですか…でも甘くはない…むしろ喉元にナイフ押しあてて無理やり抉じ開けてその場しのぎしかならない愛のようなもの。
バイセクな攻めでは?というのは新鮮。冤罪だった山内錬の受けた仕打ちに比べれば復讐に走る犯人の過去が大したことに思えない。そして攻めザマァがなくてモヤモヤ…

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2018年06月21日

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読み終えて、すごかったな、とただ一言。上下合わせて、様々なテーマが組み込まれてるように思えました。あとがきでしをんさんが書いているように、背景にあるテーマは「冤罪」が大きいですが、それ以外にも性のことだったり、社会のことだったり現代にある問題が描かれていたと思います。男性同士の生々しい表現が多くて少し驚きますが、それを気にさせないくらい素晴らしいお話でした。登場人物が多くて、無駄になる役もあるのではないかと思いましたが、最後にはすべて繋がってすっきり。とりあえず、練が死ななくて良かった…。

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2017年02月04日

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予想できなかった結末。
圭吾は結局何処に行っちゃったの?
でもこれは鈍感でも甲斐性なしでも麻生さんが
もてるのわかる気がする。

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2015年07月06日

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先に私立探偵を読んでしまい麻生と練が気になり読みはじめた作品。

途中で、犯人や動機もなんとなくわかるんだけど、まさかあの人まで絡んでるとは思わなかった。
一方で麻生さんと練、2人の関係プラス及川さんのことも気になりました。上巻の書き下ろしがとても印象的で、想いが通じ合った?ときは練ちゃんの初恋・・・!とじーんときてしまいました。あの話しがあったからこそ練がなんかいじらしいというか可愛く見えてしまう。でもあの事件がなけりゃ深くかかわらなかったし練も苦しまなかったと思うと複雑。
とにかく今後の2人が気になるので緑子シリーズにも手を出してしまおうかと思います。
及川さんとイラストレーターの話しとか今後でてこないのかなぁ。
幸せな日常を垣間見てみたい。

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2013年09月01日

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