あらすじ
虫オタ×悩みアリな中学生たち!?
虫オタな転校生が、悩める4人のクラスメイトの魅力を「昆虫」にたとえはじめると、
クラスメイトたちが次々と「新しい自分」を発見する!
【こんな人におすすめです!】
・まわりに気遣いすぎて自分をだせない
・同性の友人に恋心を抱いているかもしれない自分にとまどっている
・田舎の閉塞感に不満を募らせている
・親や友だちにもっと大事にされたい
・・・みんな虫オタの蛍子が、あなたの魅力を教えてくれます!
「推しの作品です!」──児童文学作家 村上しいこさん推薦!
第64回講談社児童文学新人賞佳作入選作!
●著者紹介
五十嵐美怜
福島県出身。日本児童文芸家協会正会員。図書館司書の仕事をしながら、児童書の執筆をしている。主な作品に、「恋する図書室」シリーズ、「花とつぼみと、きみのこと。」シリーズ(いずれも集英社みらい文庫)、『きみがキセキをくれたから』(青い鳥文庫)などがある。本作の『15歳の昆虫図鑑』は第64回講談社児童文学新人賞佳作入選作。
感情タグBEST3
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コセアカアメンボ
今、わたしがいるのは、暗くて濁っていて泳ぎづらい水の中。そんな「合わない」場所でもわたしは泳げる。吉岡さんが言ってくれたとおり、それはすごいことなのかも。
でも、無理して泳ぐことはない。わたしがいる場所は、ここだけじゃない。
別の場所でも、うまくやっていけるかもしれない……。
そう思ったら、だんだんと気持ちが軽くなっていく。
この章は、自分の気持ちを正直に言えない女の子が主人公のお話です。
私も、この言葉を言った主人公と同じように相手に合わせるために自分の気持ちを押し殺して過ごしてしまうことがある気がします…
そして、そういう自分がずっと嫌いだったのですが、この「コセアカアメンボ」を読んで少し心が軽くなりました。
カブトムシ
「たまたまなんだ。たまたま、ボクも彼も男だったってだけ。それだけのことさ。まぁ、たまに祝福されないこともあるけど……」
うつむいたニックの頬に長いまつ毛が影を落とす。もしかしたら、これまでに傷つくようなことを言われた経験があるのかもしれない。
それでもニックは自分の気持ちに正直に向き合っている。
この章は、男の子に恋をしてしまった男の子と男性同士で付き合っているALTのニック先生のお話です。
私はニックと違って自分の気持ちを正直に出すことが出来ないと思うので、ニックは本当に凄いなと思います…!
私も少しずつでもいいから、自分の気持ちを正直に伝えられるようになりたいです…!
アブラゼミ
目標も将来の夢もなにもない俺だけど、セミでいったらまだ土の中にいるようなもんだよな。成虫になるそのときまで、俺の中身をじっくり埋めていこう。
この章は自分が空っぽだと思う男の子が主人公のお話です。
私も自分には何にも無いのではないかと不安になることがあるのですが、
このお話を読んで、何もないならじっくり埋めていけばいいじゃないか!と気持ちが明るくなりました!
Posted by ブクログ
虫オタクな転校生が、後に友達となる同級生の魅力を虫に例えて引き出してくれる。一見、マイナスに捉えがちな部分も見方を変えると長所に変わるんだと感じ、心が温かくなりました。
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15歳、高校受験前の夏、進学、将来、恋愛、自分について悩む時期。それぞれ違った生きづらさを抱えた5人が、お互いの関係を通して、自分と向き合っていく話。子ども達に読んでもらいたい。
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未来屋アオハル文学賞 大賞作品。
昆虫が大好きな吉岡さんを中心に描かれる田舎町の中学3年生5人が主人公。
それぞれが個性的で魅力的。一人ひとりの家庭環境も描かれ、納得感があった。友達に無理して合わせたり、ちょっと年上の人と悪ぶってつるんだり中学生あるあるが丁寧に書かれています。モテるけど実家を継ぐことに反発している小野くんが印象に残った。
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「夏休みのホタルのボランティアをやってくれる人」
先生の声かけに真優は少し興味を持ちつつも、目立つことなんてできるわけがないと思い手を挙げなかった。誰もが固唾を呑んでシンとしている中、手を挙げたのは虫好きで変わり者の転校生、吉岡さんだ。真優は吉岡さんと目が合った。吉岡さんがやるなら、尚更自分はできないと真優は思う。なぜなら、真優の友達グループにいる咲は吉岡さんを目の敵にしているから。案の定、お昼にグループでお弁当を食べていると、吉岡さんの話題になった。
第64回講談社児童文学新人賞佳作
第64回は豊作だという別作品の感想を読んだので、立て続けに受賞作、佳作を読みましたが、本当にそうだなと思いました。
オムニバス形式で毎話主人公が変わるけれど、同じクラスメイトの関わりがある人が主人公となるので話は全て繋がっています。
それぞれの話の中で主人公達は悩みがあり、それを乗り越えていきます。主軸になるのは虫好きの吉岡さんで、それぞれの話の主人公達は虫に見立てられます。
最後の主人公が吉岡さんです。それまで彼女以外の人目線で見る吉岡さん像とは異なり、吉岡さんにも困難や悩みがあるという、当たり前のことに改めて気付かされました。
表面上ではクラスや対人関係に問題がなさそうな人も、吉岡さんのように孤高の人、ゴーイングマイウェイに見えるような人も、その内側では悩み傷つき、人を求めている。大人の自分からすればそれらが形式美に見えてしまうところもありますが、今その時を生きている子ども達にとっては、こんなに丁寧に分かりやすく、かつ読みやすく書かれていて、きっとどれかの話には胸を打つものがあるのではないかなと思えました。
中学生のお話ですが、高学年にも薦めたい本です。
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昆虫を媒介に、複雑でありながら純粋な10代の心の動きが描かれています。自分の心が中学時代にタイムスリップしたようでした。昆虫の生態と人間がこんなにもリンクしてというか、近しいものに感じられたことはありませんでした。本作が、講談社児童文学新人賞佳作入選ということに納得いきます。
色々様々に揺れ動いていたあの時代は、友達関係でちょっと悩んだこともあったけれど、とても懐かしく、キラキラしていたように思い出されます。
昆虫の挿画も素敵でした。一つの体の中にオスとメスの特徴が交ざり合ってることを『雌雄モザイク』といい、カブトムシ、クワガタ、チョウ、セミ、ハチも発見されていること、驚きでした。
悩み多き思春期のみなさんにとって勇気をもらえる一冊であり、その時代を一生懸命生きてきた大人にとっは、心洗われる一冊です。
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めっっちゃ良かったなあ〜中学生が人間関係、性、将来などに悩みながら少しずつ成長していく様がまさに青春!これぞ児童文学!って感じで。まだ主人公たちは若い、未来はどうなるか分からない。今だけにとらわれないで自由に羽ばたいて光ってほしいな。ぜひ児童に読んでもらいたい一冊です。
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東京からの転校生は少し変わった虫好き少女。
空気を読まない、読み過ぎる、沸き上がる自分でもわからない感情、人気者の本音と空っぽの自分、チヤホヤされたい寂しい気持ち。
今まで気づいてなかったこと、気づかないフリをしていたことに、ハッキリと気づく瞬間はつらいのかもしれない。変わってしまうのは怖い。
でも、気づくことで次の一歩が踏み出せるのかも。
中学生たちの一歩に祝福を。あなたたちの道には、きっと光が灯る。
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タイプの違う5人の中学三年生が主人公。それぞれに悩みやコンプレックスを抱えているが、ある活動をきっかけに自分の心に向き合う。虫オタク少女・吉岡さんの虫に関するウンチクも楽しい。
第1回未来屋書店アオハル文学賞の大賞受賞作ということで読んでみたけど、良かった。
Posted by ブクログ
こちらも未来屋アオハル文学賞、大賞作品とのことで知った。昆虫好きで変わり者扱いされている女子・吉岡とそのクラスメイトが主人公の作品。
人間関係の悩みや、ジェンダーの問題、SNSの使い方などにも触れられていて、中高生に読んでもらいたい作品というのも頷ける。文体も読みやすいので、読書初心者でも大丈夫。そして読後感がとてもいい!
虫が苦手だと、途中に描かれる虫のイラストにドキッとするかもしれないけど、読んで良かったと思わせてくれる作品だった。
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いろんな個性や悩みがある中学生たち5人を虫に例えるのが斬新。でもよく特徴を捕らえていて面白い。
よくある群像劇ではあるけど、こういう話好き。特に好きなのは小野くんと吉岡さんかな。小野くんのような一見ナチュラルに勝ち組な子の悩みの話は興味ある。虫が好きな吉岡さんは、周囲に何て言われようと気にせず突っ走ってほしいと思う。
Posted by ブクログ
15歳、高校受験前の少年少女たちの青春ストーリーです。
夏休みのホタルボランティアが募集されたことをきっかけに今まで繋がらなかった子たちの気持ちが交差していきます。
それぞれの子供たちのストーリーがあり、気持ちの変化が上手に表現されています。
どの子もまだ自分探しの真っただ中であり模索中でこれからの未来が見えていて読んでいてこちらもキュンとしたり、泣きたくなったりする物語です。
Posted by ブクログ
虫好きだから気になった作品。
虫オタクの吉岡さんが登場人物それぞれを虫の特徴に当て嵌めて例えるのが面白い。
多感な15歳の悩みと感情に昔の自分を思い出して胸がギュッとなりつつも、勇気を出した彼らが成長する姿と友情に晴れやかな気持ちになった。
Posted by ブクログ
リアルな中学生の会話で悩みや思いや心配事が感じられる。大人にはソレくらいの事と思われがちなことなど。
ひとりひとりを主人公とした項立てにそれぞれの問題提起を入れ、昆虫の生態とも合わせ興味深く読むことができた。
ぜひ、中学生におすすめしたい。
Posted by ブクログ
中学生の心の揺れ動く様、勇気を出して一歩踏み出す様子が瑞々しく表現された良作。
本当は4付けたかったけど、LGBTQの洗脳エピがいらなかったかなあー
トランスとクイアは別の精神疾患または性犯罪事件とも関連があり、一概に距離を置くことが不正解とは言えない。
児童文学でこの辺りをLGBと一緒にして洗脳しようとしている感じは受け付けませんでした。