あらすじ
日常に潜む「周りからの視線がこわい」という感情を手放そう!
いつも視線を気にしていたり、誰かが自分のほうを見ていないかと不安に思ったりすることで日常生活に支障が出始めているのであれば、社交不安症※になる前の状態かもしれません。
本書では社交不安症と診断されていなくても、次のような不安感・恐怖心を持っている方に向けて、対処法(認知行動療法)を解説しています。
※社交不安症(社交不安障害):他人と交流する必要のある場面や自分が注目されるような場面で、強い緊張と不安が生じることで日常生活に支障をきたしている精神疾患のこと。社交不安症の人が持つ「他人からの視線がこわい」という症状を「視線恐怖」と本書では呼ぶ。また、似た精神疾患に「対人恐怖症」がある。
▼特に次の症状が当てはまる方におすすめの1冊です
●対人場面で
「相手を不快にさせてしまうかもしれない」と不安になる
「汗ばんでいること・顔が赤くなっていることを指摘されそう」と思う
●外出前に
「他人の視線が気になりすぎて、出先でパニックになったらどうしよう」と考えてしまう
「また人前で失敗したらどうしよう」と不安になる
●帰宅後に
「今日のあの言動はよくなかった」と1人反省会を何度もしてしまう
「誰かを不快にさせてしまったかもしれない」と自分を責めてしまう
▼本書より
視線を感じる場面で不安や恐怖を感じることは自然なことであり、むしろこうした不安や恐怖は、人が社会生活を営んでいく上で必要不可欠なことです。そのため、視線を感じる場面で不安や恐怖を「ゼロ」にすることを目指す必要はありません。「ありのままの自分」を出せているか、という視点を大事にしながら、本書で学ぶさまざまな認知行動療法の技法を活用し、上手に不安や恐怖と付き合っていきましょう。
▼目次
第1章 なぜ他人の視線が気になる・こわいの?
第2章 「視線恐怖」※の原因を知ろう
第3章 「視線恐怖」から抜け出そう
第4章 困りごと別に克服していこう
手が震えているところを見られるのがこわい/大勢の人前で話すのがこわい
顔が赤くなるところを見られるのがこわい/場違いなことを言って注目されるのがこわい……
第5章 「視線恐怖」が改善してきたら
▼著者
松本一記(まつもと・かずき):鹿児島大学学術研究院医歯学域鹿児島大学病院 研究准教授
吉永尚紀(よしなが・なおき):宮崎大学医学部看護学科 教授
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感情タグBEST3
Posted by ブクログ
社交場面で、自分はどうみられているだろうとか、こう思われたらどうしようとか、たしかに自己注目してしまっているときはあるなと思った。でも視線恐怖から逃れるためには、そう言った自己注目はほどほどにして安全行動をやめる必要があるというのは納得した。自分じゃなくて、他の人を注目したほうが安心するかもしれない。
発表のときに頭が真っ白になる人は、部屋の壁のシミや、時計の音とか、座っている椅子の座面の感覚や、Tシャツが肌に触れている感覚に注目すると良い。
Posted by ブクログ
視線がこわい 心理・身体的反応 感情・行動の変化 社会的側面への影響 視線恐怖<社会不安症 振戦・書字・赤面・発汗・電話恐怖 対人恐怖症 SAS・SIASによる測定
不安維持モデル=不安症状・安全行動・自己注目 社交場面→否定的解釈→ネガティブな自己イメージ→安全行動or不安症状
認知行動モデル作成 安全行動と自己注目 ビデオ・フィードバック 注意シフト 行動実験 世論調査 ×リハーサル&一人反省会 社会的トラウマの意味付けを書き換え 自分が自分のセラピストに
Posted by ブクログ
【目次】
第1章 なぜ他人の視線が気になる・こわいの?
性格の問題ではない!「視線恐怖」というもの
「視線恐怖」は社交不安症の症状のひとつ
周りが自分に対してどう反応しているのかわからない
社交不安症と似ている「対人恐怖症」
自分の症状は軽度?重度?
第2章 「視線恐怖」の原因を知ろう
「視線がこわい」気持ちがずっと続く
「不安持続モデル」を構成するもの
社交場面のあとに1人反省会をしてしまう
社交場面以外にもつらい時間がある
第3章 「視線恐怖」から抜け出そう!
視線恐怖から抜け出す方法とは?
方法① 認知行動モデルの作成
方法② 安全行動と自己注目の検討
方法③ ビデオ・フィードバック
方法④ 注意シフト・トレーニング
方法⑤ 行動実験
方法⑥ 世論調査
方法⑦ リハーサルと1人反省会をやめる
方法⑧ 社会的トラウマの意味づけを書き換える
第4章 困りごと別に克服しよう!
困りごと① 震えているところを見られるのがこわい
困りごと② 人前でいい間違えるのがこわい
困りごと③ 顔が赤くなるところを見られるのがこわい
困りごと④ 場違いなことをいって注目されるのがこわい
第5章 「視線恐怖」が改善されてきたら
再発しないためにできること