あらすじ
東大1・2年生の好奇心に応えながら
熱く語った珠玉の講義
紛争や悲劇は避けることができないのか。どうして日本の政治家の大半は男性なのか。そもそも政治はなぜ必要なのか。東大1・2年生たちの好奇心に応えながら、法学部の政治学系スタッフがそれぞれの研究について熱く語った珠玉の講義。東大で政治を学び、東大から政治を考えよう。
○● これから新たに学ぶ人に ●○
○● 社会人の学び直しにも ●○
【本書「第1講 日本の有権者と政治家――序論にかえて」より】
[1]開講にあたって
こんにちは。本書は,2023 年度の A セメスター(後期)に東京大学教養学部前期課程,主に 1 年生向けに開講した総合科目「現代と政治」の講義録を基に,実況中継風に原稿を書き起こしたものです。
東京大学法学部には,現在(2024 年 4 月)広い意味での政治学を専門とする教授・准教授が 20 名います。このうち 13 名が,1 人1 コマずつ,いま関心を持って取り組んでいる具体的課題を紹介した授業が「現代と政治」です。各教員には,政治学を学んだ経験のない学生も数多く履修すること,法学部以外に進学する人も大勢いることは伝えましたが,その上で基礎的な事項を分かりやすく説明するのか,あるいはアップ・トゥ・デイトなトピックスを専門的な観点から解説するのか,はたまた敢えてそれぞれの専門分野における最先端の議論を紹介するのかは,各自の判断に委ねました。
ですから,本書は大学 1 年生向け講義を基にしているとはいえ,中学校の公民,高等学校の公共や政治経済の授業から大学における政治学の学修に向けて橋を架ける教科書というよりも,顔見世興行やガラ・コンサートに近いものになりました。専門分野の近さを考慮して出講順(=本書の順番)を決めましたが,前から順に読まないと後ろが理解できないことはなく,ご関心のある講義からページを開いていただいて構いません。
【主要目次】
はじめに
第1講 日本の有権者と政治家――序論にかえて(谷口将紀)
第2講 政治とは、国際政治とは――戦争と平和の問題を中心に(遠藤乾)
第3講 「冷戦の終わり方」を問い直す――ドイツ統一をめぐる国際政治史研究を題材に(板橋拓己)
第4講 「利益誘導」の条件――日仏の政治史を比較すると何が見えるか?(中山洋平)
第5講 現代アメリカの政治――「分断」の由来と大統領の挑戦(梅川健)
第6講 「中国化」の中国政治――習近平のアイデンティティ政治を読み解く(平野聡)
第7講 自由をめぐる政治思想(川出良枝)
第8講 「公共」と政治学のあいだ――日本政治思想史の視角から(苅部直)
第9講 戦前の政党内閣期が示唆すること(五百旗頭薫)
第10講 現代日本の官僚制と自治制――行政研究の焦点(金井利之)
第11講 ジェンダーと政治(前田健太郎)
第12講 憲法をめぐる政治学(境家史郎)
第13講 租税政策をめぐる福祉国家の政治――比較の中の日本(加藤淳子)
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
今の社会やニュースを見る
視座が得られた。
トランプ旋風、
ロシアの台頭、
噛み合わない憲法議論、
税制問題
学術的に基礎が分かると
見え方が分かる。
おじさんの学び直しに最適
Posted by ブクログ
理系に進んだ自分にとっては社会学や政治学といったものは、高校生の段階では視野に入っていない学問だった。しかし大学院で数理モデルを勉強したり、その後社会に出てビジネスの話をずっとやっていると、こういった人文系の勉強もしっかりやるべきだったと思うようになった。
本作はそんな自分にとって、母校の教養過程でイントロダクションとして提供されてる授業の書籍化ということで、ちょうど良いと感じて手に取った一冊だった。
わざわざタイトルに東大政治学と入れているのはやや嫌味なところもあるが、内容としては専門において研究されている様々なトピックを分かりやすく一冊にまとめたものだと言える。
一時期の東京大学はいわゆるポリサイが全てみたいな雰囲気があったらしいのだが、本作を見るとかなり幅広いトピックがカバーされていることがわかった。
個人的には法学との間にあると思われる国際保障のトピックを面白く読むことができたが、それ以外にも憲法の話であったり、ジェンダー、あるいは地方行政との関わり方などもあってかなり面白く読む内容だった。
大学時代はおそらくこの授業をとっても他の教科が忙しくて味わうことができなかったに違いないのだが、こうやって時間を取ってゆっくり読むと、もっと大学の時に頑張って勉強すれば良かったのになと思ってしまったりする
Posted by ブクログ
かんちがいー。
今の東大-官僚の在り方に疑問を持っているため、
タイトルを見て、東大法学部編ってのを見て、
これも読もう!と入手した。
そしたら、東大の政治学の講義のアジェンダだった。
あらら。
しかしその内容はそれぞれ興味深い。
特に後半のジェンダー、憲法、消費税などは興味関心にドンピシャ。
そりゃそうだよね。
教授、専門家は考えてるよ。
冷戦、ドイツ、アメリカ、中国、、、
ま、あとはあり方だ。
中学受験で地元に根付いていない偏差値エリートがこれらをどう学ぶか、だ。
はじめに
第1講 日本の有権者と政治家――序論にかえて(谷口将紀)
第2講 政治とは、国際政治とは――戦争と平和の問題を中心に(遠藤乾)
第3講 「冷戦の終わり方」を問い直す――ドイツ統一をめぐる国際政治史研究を題材に(板橋拓己)
第4講 「利益誘導」の条件――日仏の政治史を比較すると何が見えるか?(中山洋平)
第5講 現代アメリカの政治――「分断」の由来と大統領の挑戦(梅川健)
第6講 「中国化」の中国政治――習近平のアイデンティティ政治を読み解く(平野聡)
第7講 自由をめぐる政治思想(川出良枝)
第8講 「公共」と政治学のあいだ――日本政治思想史の視角から(苅部直)
第9講 戦前の政党内閣期が示唆すること(五百旗頭薫)
第10講 現代日本の官僚制と自治制――行政研究の焦点(金井利之)
第11講 ジェンダーと政治(前田健太郎)
第12講 憲法をめぐる政治学(境家史郎)
第13講 租税政策をめぐる福祉国家の政治――比較の中の日本(加藤淳子)