【感想・ネタバレ】超空洞物語のレビュー

あらすじ

その〈空洞〉から、すべては始まった。
天下の奇書か、物語の起源か?日本最古の大長篇「うつほ物語」の謎を、光源氏が解きあかす。

「平家物語」を全訳した著者が、一千年の日本文学史を超絶マッシュアップ。歴史を現代につなぐ驚異の新作!

京の都の政治抗争を逃れ、みずから須磨の海辺へと流寓した光源氏。詫び住まいに携えたのは父帝ゆかりの七絃の琴と、
七絃の琴の一族を描く大長篇「うつほ物語」の第一巻だった。満月の宵、徒然なるままに「うつほ」の最終場面を墨絵に描いた光源氏は、その巨大な物語の迷宮を遡り、九枚の物語絵によって読み解いていく――。日本物語文学史の豊穣なる起源を、現代に再生させる冒険の書。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

「うつほ物語」を読み解いて再構築するのはまさかの光源氏かいな…! と感嘆しつつ、従前と変わらぬ著者の節回しに安堵して読んでいたら、よもや”超空洞”と名付けられたインサートの中で自らそのあたりの詳細を説明されるとは…! あの古川日出男が親切になったもの…と幾重にも驚く。
さらには「千夜一夜物語」まで飛び出してなぞらえられるとは…「アラビアの夜の種族」に強い感銘を受けた一人としては嬉しい限り。

著者ご自身が村上春樹氏に傾倒していることを明かされているが、例えその予備知識がなくとも、はっきりと影響が読み取れる文章になっており、そして近年の作になればなるほどその傾向が強くなっていることは、個人的にやや懸念の材料。

「いまならばわたしはあのうつほの二十巻めの結末を、描けるぞ。絵に。月光をたっぷりと含ませた筆で、墨描きできる。」
「しかし、虚構の人物であった光源氏がこちらに、現代日本に滲みでてきていると捉え直すと、どこかひやりとする。」
「『もしかしたら国史の類いによりも、作り物語のほうにこそ詳細な歴史が書いてある』と。それは光源氏の物語論である。」

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2026年07月02日

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