あらすじ
日本には成功する条件が揃っている。
しかしまだ真に機能するイノベーションのエコシステムがない。
この国が世界レベルのスタートアップを生み出すために今やるべきこととは?
米国屈指の投資家育成機関「カウフマン・フェローズ」で名だたる投資家たちを育て上げ、自らもTwitter、Zoom、Coinbase、Squareなどの投資案件を手がけてきた国際展開支援のトップファンドSozo Venturesの共同創業者フィル・ウィックハムが、世界を変えるスタートアップを生み出すエコシステムの仕組みを日本の読者に向けて明かす!
世界50以上の都市でスタートアップ・エコシステムの構築を支援してきたベンチャーキャピタリストが教えるトップイノベーターたちの共通点とは何か?
イノベーションを起こしうる「天才」を発見する方法、
そのような天才が生み出す無限のアイデアを適切に支援するエコシステムを構築する方法、
アイデアを検証するための実験のやり方とマインドセットを一挙紹介。
【こんな方におすすめ】
・スタートアップを成功させたい起業家
・スタートアップの成功を支援したい人
・偉業を成し遂げた世界的なスタートアップのエコシステムに関心がある人
・トップのイノベーターたちに共通する資質を知りたい人
・自分の「天性の才能」が何か知りたい人
・イノベーションが生まれる仕組みに興味がある人
【目次】
序文 次は日本の番だ(アレン・テイラー)
はじめに すべては深く強固な基礎から始まる
第1章 日本のスタートアップ・エコシステムの誕生
第2章 「不確実性」を愛するということ
第3章 工業時代のマインドセットからの脱却
第4章 「天才」を殺した企業文化
第5章 「永遠の学び手」であるために
第6章 「最高の仕事」の機会に招かれるために
第7章 自分の「天才」と「使命」に賭ける
第8章 巨大な波を見極め、乗ることができるか?
第9章 この国の「信頼」という資産
第10章 「目を見れば、誰に投資すべきか判断できる」という嘘
第11章 「もし既存の体制を怒らせるなら、それはあなたが何かを見つけたということ」
謝辞
アレン・テイラー(エンデバー・カタリスト/マネージングパートナー)
「私は2009年にエンデバーでの仕事を通じてフィルと知り合いました。エンデバーは世界中の起業家を選抜し、トップのリーダーに育成するための世界最大級のNPOです。その後2011年から2013年にかけて、私は世界的に有名なベンチャーキャピタリストの養成機関であるカウフマン・フェローズ・プログラムに参加する幸運に恵まれ、フィルは当時カウフマンのCEOを務めていました。過去15年以上にわたり、私たちは一緒にパネルディスカッションに参加し、若いベンチャーキャピタリストを指導し、ほぼすべての大陸で公共および民間セクターのリーダーたちにアドバイスをしてきました。私はフィルから数多くの知恵の欠片を集め、エンデバー・カタリストをAUM5億ドル以上、十数カ国で50以上の「ユニコーン」投資を持つグローバルVCファームに育て上げた自身のキャリアにおいて、フィルにアドバイスとメンタリングを求めてきました。
ですから、はっきりと申し上げましょう。これから皆さんがこの本でお読みになることは信頼に値するものです。フィルは自分の専門分野に精通しています。彼はスタンフォード大学でイノベーション・エコシステムの構築に関する授業を教えています。そして50カ国以上でこれをどのように行うかについてのアドバイスをしてきました。これらは単なる個人の意見や重みのない信念といった以上のものです。この本で彼が皆さんと共有するのは、起業家のエコシステムがどのように、そしてなぜ機能するのか、そして日本がこのプレイブックに従ってこれから数十年で経済を変革できる方法についての極めて基本的で基礎的な原則です。並外れた個人による社会でイノベーションを起こす理論は、これらすべてにおける重要な概念であり、フィルはこの本でそれを見事に説明しています。」(序文より)
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Posted by ブクログ
2032年、日本がスタートアップのハブになる:世界を動かす才能を解放せよ
著:フィル・ウィックハム
建築、映画、ファッション、ゲーム、文学、芸術など、ほぼすべての創造的な産業で日本は圧倒的な存在感を示している。しかしスタートアップによるイノベーションにおいては、残念ながら世界の多くの地域に比べて大きく後れを取っている。ただし、これは日本に創造的なビジネスマインドが欠けているせいではない、単に日本には、「フリーク」が成功する道筋がないだけである。
日本には、成功するための条件が揃っている。でもまだ真に機能するスタートアップのエコシステムがない。日本がイノベーションを起こすためにはいくつか解決すべき課題がある。イノベーションを起こしうる「天才」を発見する方法、そのような天才が生み出す無限のアイデアを適切に支援するエコシステムを構築する方法、アイデアを検証するための実験のやり方とマインドセットが本書では紹介されている。構成は以下の13章から成る。
①次は日本の番だ
②すべては深く強固な基礎から始まる
③日本のスタートアップ・エコシステムの誕生
④不確実性を愛するということ
⑤工業時代のマインドセットからの脱却
⑥天才を殺した企業文化
⑦永遠の学び手であるために
⑧最高の仕事の機会に招かれるために
⑨自分の天才と使命に賭ける
⑩巨大な波を見極め、乗ることができるか
⑪この国の信頼という資産
⑫目を見れば、誰に投資すべきか判断できるという嘘
⑬もし既存の体制を怒らせるなら、それはあなたが何かを見つけたということ
変えてはいけないこと。変わらないといけないことについて本書は書かれている。良い種はあるものの、咲ききれない、土壌や肥料や日光、そして育て方や継続的に実を収穫し、サイクルとして回す方法に課題が多いと指摘いただいている。
他国に比較して・・ということは十分に認識し、取り組む必要がある。そして本書では日本では「東京」にフォーカスがされている。東京と東京以外という数字的な事実からくる、現状を受け入れながら捉える必要もある。
日本にも素晴らしいものがあり、東京以外にも素晴らしいものがある。外の世界を受けて、変えるもの・変えてはいけないものを共通認識として利害関係者が認識できるか。正解がないだけに、国だけに主導を求めることが正しいとは言い切れない。
日本という国に自信を持ち、自分たちの地域に自信を持ち、自身の置かれている立場からできることを積み上げていく。コミュニケーションを図りながら利害関係者で最善に近い道を模索しながらつくりながら突き進むことが必要となる。
対話と行動の良質なスパイラルを継続するには、自分自身の覚悟が必要となる。長い道のりであっても目の前の一瞬一瞬を大切にしたい。
Posted by ブクログ
世界から日本人のイノベーション力が評価されているのに、日本人は全く自信がない。。
アメリカ西海岸並みに集約された街、東京を活かさない手はない!
イノベーションは、政治家や官僚がトップダウンでやらせるのではなく、イノベーターがやりやすいように法制度を整えてあげることが大切!
フィレンツェに芸術家が集まったように、イノベーターにも「パトロン」が必要!金は出すけど、口は出さない!
日本の教育の厳格なアプローチと年長者への過度な敬意は、革新的なエコシステムの構築に障害!
日本では講師への質問が「失礼」にあたる場合があるが、海外では質問しないことが失礼!
政府関係者が「日本人は変わらなければならない」ということに、苛立っている。変わる必要は、ない!未来に対して冒険的なひと握りの人間がいれば十分!日本人が変わる必要はなくて、変わり者を受け入れる方法を学べば良い!
もし既存の体制を怒らせるなら、それはあなたがなにかを見つけた!ということ。重要なのは、その否定的な反応に惑わされず、価値がどこにあるかを見つける本当の課題に取り組むこと!
Posted by ブクログ
今の日本のスタートアップのあり方と問題点から世界的に見たスタートアップになるために必要なことを書かれた本当いうことは分かった。
ただ、具体的にどういう構想が考えられるかというところが薄かったと思う。