【感想・ネタバレ】密室は御手の中のレビュー

あらすじ

人跡まれな山間部にある新興宗教『こころの宇宙』の聖地・心在院。そのさらに奥深くに位置する瞑想室・掌室堂には、百年前、瞑想中の修験者が施錠された堂から消え、山中で発見されたという逸話が残る。あるミッションを担い偽名で潜入した女探偵・安威和音(あい・わおん)は、密室のはずの堂で信者のバラバラ死体に遭遇。さらに立て続けに2つの遺体を目にすることとなり――。世間から隔絶された地で起きた連続変死事件に挑む!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

ある宗教施設で起こるバラバラ密室殺人。
生首に電流を流してロックをかけるとか、切断した腕の死後硬直を利用して密室をつくるとか、トリックが類稀に見るグロさで悪魔的。生首はさすがに…と思ったが、腕のトリックはショッキングながらも気に入った。

謎解きシーンはどんでん返しが続く。このような展開は個人的に好きではないのだが、本作では前の推理を覆す一手一手のロジックが鋭く、非常に好感度が高い。
平坂犯人説を否定する延長コード、和音犯人説を否定するカレンダーの下から発見されたスマホに基づくロジックはもちろん、真犯人である楠田の用いた第2の密室トリックまで素晴らしい。
第2の密室トリックは、人間の行動原理が完全計算されており、ドアを挟み相対する密と和音にお互いがカギを開けたと思い込ませるという大胆ながらも盲点を突くトリックが見事。

デビュー作とは思えない完成度の高いミステリだった。

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2025年08月01日

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