あらすじ
思考実験とはある特定の条件の下で考えを深め、頭の中で推論を重ねながら自分なりの結論を導き出していく、思考による実験です。
例えば、ニュートンは落下するりんごを見て、この現象が宇宙の他の星にも働いているのではないか、なぜ月は落ちてこないのかと着想したという説があります。この思考が、有名な万有引力の法則につながっていくわけですが、これもりんごが落下するという事象を頭の中で拡大解釈していった、一種の思考実験といえます。
本書では、「トロッコ問題」、「テセウスの船」、「アキレスと亀」、「ギャンブラーの葛藤」、「モンティ・ホール問題」、「エレベーターの男女」、「マリーの部屋」、「ありえない計算式」…など有名どころからオリジナルまで、33の思考実験を掲載しています。
最初に出てくるのは思考実験を一躍有名にしたトロッコ問題です。暴走したトロッコの先には5人の作業員がおり、線路を切り替えれば1人の作業員がいる。このときあなたは線路を切り替えますか?
という1つの場面からいくつもの設定が加わり、シナリオが多岐にわたって展開していきます。
その他、俊足の男が亀に追いつけないはずだという「アキレスと亀」に代表されるようなパラドックス問題、数字を扱った極めて論理的な問題、過去と未来を想像したり初めて色を見た瞬間を想像したりと脳の中で世界観を作り出す必要のある問題もあります。
物語やトリックのような世界を楽しんでいるうちに自然と論理的思考力が鍛えられ、思考の中の新たな発見や気づきが生まれることに気がつくでしょう。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
いろいろな思考実験の題材とその解法が分かりやすく説明されている。
自分は数学科出身なのだが、確率のところで幾つか解けないものもあった。試行回数を増やす考え方は参考になった。
また、最後の方に書いてある、思考を巡らせることによるメリットはその通りだと思った。普段から思考する習慣をつけておきたい。
この本をきっかけに思考実験に興味が湧いてきたので、もっと勉強してみようと思う。
Posted by ブクログ
物事を、真正面から見るだけでなく、あらゆる可能性を、考える事で少し賢くなった気がする。
最後のコンピューターが支配する世界は、遠い将来あり得ると思えるだけにこれ以上、便利さと引き換えにコンピューターが進化して行くのは考えものだと思う。