あらすじ
蟷螂拳(とうろうけん)を繰り出すトランスガール!
こんな小説をずっと待っていました!――三木那由他
カンフーの達人で、病的な嘘つきのあたしは、生まれ育った町と家族から逃げ出した。
誰かが描いた物語に、閉じ込められないために。
行き着いた「奇跡通り」では、面倒を見てくれるディーヴァ、不思議な力を持つ魔女、鼻もちならない「お姫様」ら、様々なトランスたちに会う。やがて、殺されたトランスジェンダー女性たちの仇を討つことを使命とするガールギャングに入り、ストリートで暴れまわる。
待ち受ける数々の困難を前に、彼女は新しい家族を守り、痛みを癒し、
自分の中にある真実を見つけることができるのだろうか?
エマ・ワトソンのブッククラブの課題図書となり話題を呼んだ小説、ついに邦訳。
創刊たちまち大好評の海外文学シリーズ「I am I am I am」、第二弾!
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
おそらく物語を展開する上で、なくても問題のない詳細な描写が随所に散りばめられていて、そのディティールの細かさからこれは作者の実体験なのだろうなと強く感じながら読み進めた。
決定打はトイレットペーパーというのがウケる。実際人生って些細なことで大きく変わったりするんだよなと共感。「あたし」のように力強く、自由に生きられたら良いよな。
Posted by ブクログ
破天荒で繊細で何よりも自由な小説でした。トランスジェンダーの18歳の女の子が主人公。カンフーが強くて、心の中に蜂を飼ってて、ゴーストフレンドがいて、妹思いで、年相応な部分も可愛らしく魅力的。自分と向き合う強さと新しい世界に飛び込む軽やかさが本当に素敵。結末も主人公らしく納得のいく終わり方。青い瞳のトランスボーイとの初デートが最高に素敵。フェアリーライトとライラックに囲まれた天使のお墓。蜂を追い出すために赤いケーキを作るのも良い。"自分自身を傷つけるのをやめたとき、ようやく誰かを傷つけるのをやめられる"