あらすじ
「もうこれ以上自分が中年男性になっていくことに耐えられない。残りの人生は女性として生きていきたいんだ」。
40代を迎えた夫は、こう言い放った。
20代後半で結婚し、夫婦共通の趣味である旅行を頻繁に楽しむなど、平和な日々を過ごしていた2018年のある日、発覚した夫の女性ホルモン剤服用。
まさに青天の霹靂といえる事態に混乱しながらも、何度も話し合いを重ねながら女性化していく夫を見続けた2年間を綴った手記。
見た目だけでなく、いやそれ以上に中身も変わっていく夫との関係に苦労しつつも、性別違和についての学び、SNSなどを通じた当事者や当事者の家族との出会い、自己変革の決意……様々な行動を重ね、葛藤と闘いながら、どうすべきかを模索し続けた。
そして夫の性別適合手術が決まり、いよいよ体も女性となる直前に下した決断と、夫や現代のジェンダー医療に対して思うこととは――。
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Posted by ブクログ
最近トランスジェンダーへの不安感というか警戒心というか、嫌悪感に近い感情が募る情報ばかりを見るので、実態を知りたくて読んだ。
著者の元夫は、申し訳ないが私が忌避するタイプのトランスジェンダーど真ん中だったが、そういった状態になる経緯や理屈みたいなものが少し分かった気がする。また、他のトランスの方との交流を少し触れていた為、そういった人ばかりでは無いかもしれないと思うことも出来た。
トランスって生まれながらに性別違和がある場合だけじゃなく、精神疾患やトラウマや性癖、様々なパターンがある。でもそれを認めるとホルモン投与や性別適合手術を受けられなくなる可能性があり、本人が自覚して認めることが出来る場合は少なそう。
Posted by ブクログ
結婚して13年。
仕事も辞めて専業主婦になり、自分も40代を迎え出産も諦めた頃、突然自分の夫が「自分は女性だ!もう男としておじさんになるのが耐えられない!」と、勝手に女性になっていくとしたら、、、
確かに筆者には何も罪がない(はず)し、勝手な話に心がついていけなくて辛いだろうなぁとは思う。
ただ、もう離婚してしまっているし、相手側からの話がわからないので片側に寄りがちな内容なのが、傍観者の私には少し気になるものの。
でもきっと、同じ立場で悩む人には救いになるのかな。
急にそんな責められない理由で1人になる寂しさ、虚しさ、不安を抱える人には良い指南書になるんじゃなかろうか。
誰にも相談できず、相手を責めることもできず、自分がまるで悪者のようで辛く悲しい人が救われるといいな。
性の多様化と、精神的な問題と、複雑すぎて一件一件同じじゃないから私を含め世の中の理解もなかなか難しいのかもしれない。
当事者だけではなく、周りの人の悩みも理解されていく世の中になるといいな。