あらすじ
売春防止法は、売春はいけないといいながら、男性の性行動には関与せず、常に女性の性行動のみを規制しています。売春防止法は女性にはなんのメリットもないということで意見は一致しましたが、では、売春自体をどう考えるかとなると意見はわかれました。議論の中で、女性の側にも、「性を売る」女性への差別意識があることが自覚できました。また、売春を認めれば男社会の思うつぼであるという危機意識も売春反対の主な理由として出てきました。II部は、座談会を通して出てきた売春女性への差別、労働としての売春、発展途上国における売春、そして子どもの売春という四つのテーマについて、より多くの人に私たちの問題意識を伝え、議論をしたいという意図のもとに計画したものです。講師として招いた人々は、セミナーを企画した私たち自身が一番、話を聞きたいと思った人々です。皆さん、快く引き受けてくださいました。この本を通して、私たちの問題意識が一人でも多くの人に伝わり、議論を深めるきっかけになればと思っています。(はじめにより)
※本書は、1999年7月発行の『買売春解体新書』の新版です。
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Posted by ブクログ
第一部は対談形式。話し言葉をそのまま文字起こししているからか、少々分かりづらい...。実際にその場で話を聞いていたなら理解出来たのかもしれないが、冗談もどこまでが冗談なのかが読者には伝わりづらい。
だけど、援助交際・売春(買春)の移り変わりだったり、若オヤジと老オヤジの違いの所はクスッと面白かった。
第二部の角田由紀子さんのパートが最高に良い。とても冷静に客観的な文章だった。売春婦に対する差別意識はどこからくるのか。今の時代の(売春婦を差別する)人達はきっとこの時代の考えがなんとなく受け継がれてきたので、無意識の下の方でなんとなく差別しているだけだと思った。また、廃娼運動は誰が中心で、どういった働きをしていたのか。など。藤目ゆきさんの「性の歴史学」も読んでみたいと思った。
鬼塚・チェイス・円さんのパートでは、タイのビルマの女性達について。あまりにも酷すぎる扱いを受けている女性がいるといるという事実に言葉が出なかった。最低すぎる。被害者・堕落者の意識からの脱却というサブタイトルがついてたけど、ビルマの女性達の生活が地獄すぎて、意識からの脱却とかどうでもいいわ!なんなのこの場所は!!と、放心状態。酷すぎる...。