あらすじ
強大な力を誇る「帝国」アメリカは,日本や西欧諸国と「非対称同盟」を結んでいる.だがアメリカは同盟国に圧力をかけるだけでなく,ときに同盟国に有利となる政策を自ら選択してきた.なぜ帝国アメリカは「ゆずる」のか.ベトナム戦争期の日米・米韓・米比同盟を一次史料に基づいて検討し,非対称同盟を理論的に解明する.
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Posted by ブクログ
研究書を自ら読むことはほぼないですが、勧められ読んで見ました。
タイトルの通り、アメリカを「帝国」という関係性に位置づけて、
そこからどのような時にその支配下の小国に対して譲歩をするような政策の選択を行うか、という同盟論が論じられています。
本書ではアメリカに代表される大国を「主導国」、その下に入る国を「追随国」と分類し、主導国が「譲歩」と「圧力」を駆使して、同盟関係への拘束、外交行動の制約、負担分担の核ををする、という理論建てがなされています。どのような時にどう出るのか、
焦点があてられる国際政治上の出来事は、1968-69年あたりに話の進んだ在日米軍縮小と沖縄返還に関わる状況の分析です。
それ以外にも、韓国とフィリピンも事例として取り扱われています。