【感想・ネタバレ】100兆円の不良債権をビジネスにした男のレビュー

あらすじ

【内容紹介】
「勝負は勝とうと思う意志が一番大きかったヤツが勝つ」
不動産ファンドビジネスの先駆者が明かす、危機の乗り越え方

146億円の史上最高益達成から過去最大の184億円赤字のどん底まで経験したケネディクス元代表取締役社長が、三井住友銀行、UBS証券、フィデリティなど、苦しい時に支えてくれたステークホルダーたちの実名を明かしながら、どのように経営危機を乗り越えたかを赤裸々に語る。著者の実体験をたどることで、巨額のお金が動く、ダイナミックな不動産ビジネスの醍醐味を体感できる。

さらに、アセットマネジメントの仕組みや、不動産ファンドビジネス黎明期からリーマンショックまでの不動産ビジネス業界の歴史など、不動産ビジネスのリアルな裏側を、現場を知り尽くした著者の視点から分かりやすく紹介。

不動産業界に興味のあるビジネスパーソン、就活生は必携の一冊。

【著者紹介】
[著]川島 敦(かわしま・あつし)
1959年、東京都生まれ。開成高校を1977年に卒業、東京大学工学部を卒業後、1982年に三菱商事に入社、イラクと香港で建設実務を習得。1990年に安田信託銀行(現・みずほ信託銀行)に移り、不動産関連業務で実績を上げた。1998年にケネディ・ウィルソン・ジャパン(現・ケネディクス)に移籍。2001年に取締役副社長、2007年3月に代表取締役社長に就任。2013年3月代表取締役会長、2019年3月より顧問。ほかにSMBC信託銀行顧問、日本エスコン社外取締役などを務める。

【目次抜粋】
■はじめに
■第1章:初めてのアセットマネジメント業務
・リクルートがビルを売却、どうやって買うの?
・初めてのデューデリジェンス
・次は米国流のスキームづくり
・厚さ4センチの投資目論見書
・生みの苦しみ
……

■第2章:バブル生成と崩壊
・忘れられたバブル期の寵児
・時代の最先端を走る「和製トランプ」
・不健全な循環モデル
・易き道へ
・レコードは突然止まる
……

■第3章:イケイケの時代
・本間さんと再会
・1998年6月、ケネディ・ウィルソン・ジャパンへ
・黒船襲来、不動産ファンドビジネス始まる
・アセットアンダーマネジメント(AUM)
・不良債権のビジネスモデル
……

■第4章:ついに危機が到来
・衝撃のサブプライムマップ
・M&A構想が相次ぎ浮上
・2008年、怪しい兆し
・ファイナンスに異変
・借入金は史上最高3100億円に
……

■第5章:潰れてたまるか
・GC注記
・最悪の2009年3月
・プランBの準備、そして株主総会
・貸し剝がし
・ロイヤルバンク・オブ・スコットランド(RBS)を口説き落とす
……

■おわりに

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

不動産ファンド、リートの実務のイメージが湧く。簡単なBS、PLを用いた説明がよりわかりやすい。ファンドの資金調達、案件仕込みの臨場感が伝わる。

0
2025年11月03日

Posted by ブクログ

リーマン前後と言う、不動産会社にとって最も困難だった時代に舵取りした経営者の貴重な生き証言。不動産ファンドリートの黎明期からの眩い序章が吹き飛ぶ、リーマン中の襲いくる数々の困難にまるで自分が晒されているような恐ろしい臨場感。読んで良かった。やりたい事に挑戦するなら必ず結果を出すように、との金言を重く受け止めます。

0
2025年08月14日

Posted by ブクログ

企業経営ってそんなハードなことが続くのかと思うくらいハードシングスの連続でびっくりした。
著者が諦めず本気で手を打ち続けたことと、周囲がこの企業を信頼して賭ける(この人たちは裏切らないから信用しますという取引先からの言葉や、社員の高い温度感など)がすごく印象的だった。
また、末尾の突破力(環境を掴んで結果を出せ)という文言も印象的だった。
この経営者を見抜いた清原さんや北尾さんをはじめとした投資家も流石だと思ったし、それでもやはり生き抜けない企業もあるのではと思うものの、生き抜く企業にはこのような気がいと執念があるのだと思った

0
2025年06月15日

Posted by ブクログ

めちゃくちゃ面白い。

プロパティマネジャーはビルの損益(PL)を管轄する。テナントを探して収入を増やして、管理コストを削減してビルのNOIを向上させる
アセットマネジャーの仕事はビル(SPC)のバランスシート全体を管轄する。

0
2024年07月19日

Posted by ブクログ

著者が自身の卒論と言っているが、日本に不動産ファンドという概念もなかったバブル崩壊後の金融機関の不良債権処理をビジネスチャンスとした黎明期から、企業・業界としての大きな成長、リーマンショック後の生き残りを賭けた戦いの日々を赤裸々に綴った渾身の1冊。このビジネスが立ち上がる時代から業界に身を置く者にとってはとても感慨深い内容。「勝負は強いものが勝つんじゃない、勝とうと思う意志が一番大きかったヤツが勝つんだ」この言葉に全てが凝縮されている。この業界にチャレンジしようとしている方には是非読んでもらいたい。

0
2024年07月07日

Posted by ブクログ

リーマンショックにより独立系の新興不動産会社が軒並み倒産していく中、見事にこの大禍を凌ぎ切った独立系AMのケネディクス。本書は当時同社の社長を務めていた著者による回顧録。

リーマンショック後に不動産業界に身を置くようになった若輩者としては、当時の不動産マーケットの動きは、先輩や上司から聞いた昔話でしかなかった。
本書は、まさに当時死の淵に立っていた当事者ならではの、リアリティ溢れる心情描写が抜群に面白く、1日で一気に読み切ってしまった。

若手〜中堅の不動産業界人にとって、業界の歴史を学ぶ意味でも、夏休みの課題図書としてぴったりの本である。

0
2024年07月01日

Posted by ブクログ

世界恐慌の生存記

■概要
日本の古典的な不動産業界に、ロジックとサイエンスによる資産価値評価とプロパティマネジメントを入れた話。
後半はリーマンショックで金融危機が起き、プロパティマネジメント界隈がほとんど全滅する中、何とか生き残る資金調達のエピソードと、社内外とのドラマ

■評価
経営者として社員にどんなメッセージを送り、状況をどう説明して危機を共に乗り越えたか、が生き生き伝わる内容で、読んで熱くなれる

■感想
経営ドラマとは異なるが、不動産のことが知れたことと、危機回避の話はやっぱり面白い。経営者としてというより、少し普遍性を持ったリーダーの著書だと思うた

0
2025年06月03日

Posted by ブクログ

「勝負は強いものが勝つんじゃない、勝とうと思う意志が一番大きかったヤツが勝つんだ」p267
「突破力なしに新しい景色は見られない。突破できたら必ず結果を残せ!」p278

0
2024年08月13日

Posted by ブクログ

不動産ファンド業界で長く活躍されたケネディクスの元社長の川島さんの半生を振り返る著作。2008年頃から自分も近い業界の端にいたこともあり、とても懐かしい思いもしつつ、あの大変な時代を生き残ったケネディクスや川島さんの当時の思いや活動を知ることができ、大変勉強になった。
経営者としての学びも多く、様々な外的要因はあったのだと思うが、やれることは何でも、全てやる、やり切る、ということの大切さを思い知った。

0
2024年07月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ケネディクス創設者によるかなり生々しい歴史
1998年ころからリーマンショック後までのことが書かれているが、特にリーマン・ショック後の信用収縮期に資金繰りがつかなくて会社が厳しい時期、社員にあてた手紙の内容など、修羅場でこそ著者の真価が発揮される部分は手に汗握る感じ。

と、思って今の株価を見てみたら、、、買い取られて上場廃止になってるのね。ちょっと残念。

0
2025年01月26日

Posted by ブクログ

不動産投資ファンドケネディクス社長川島氏のバブル崩壊からリーマンショックまでの奮闘記。前半のイケイケドンドンからリーマンショックで谷底に突き落とされる落差がなんとも凄まじい。
序文のゼンリン地図を読み込むのが大好きという自己紹介とリーマンショックの後片付けをしきって退任していく様から、自叙伝として盛っているところはあるんだろうけど、(地面師をはじめデベなんて碌な人いないという偏見を(実感もあわせて)持っているんですが)非常に好感の持てる方という印象。

0
2024年12月16日

「ビジネス・経済」ランキング