【感想・ネタバレ】いわゆる「サザン」についてのレビュー

あらすじ

サザンオールスターズのやめそびれた歴史と、その真実。

昨年2023年にデビュー45周年を迎え、今年2024年には新作オリジナル・アルバムの制作を発表するなど今もなお精力的な活動を続け、その名曲の数々で常に日本のミュージックシーンを牽引し続けている唯一無二のバンド、サザンオールスターズ。

そんなサザンの誕生から国民的アーティストになるまで、そして無期限活動休止を経て現在に至るまでの軌跡を、音楽評論家 小貫信昭氏が余すところなく克明に綴りました。

40年以上にわたり、ことあるごとに取材をし、唯一その言葉を聞き続けた小貫氏だからこそ書けた、「サザンオールスターズについて」の決定版。サザンの歴史を振り返りながら彼らの楽曲や音楽人としての魅力、そしてこれからを紐解く、音楽ファン必読の一冊です。


本書は私が長年にわたりサザンオールスターズを取材して知り得たこと、感じたことをもとに書き下ろしたものである。たいへん有り難いことに、ほぼ執筆し終わろうかという時に、新たに桑田さんに時間を頂き、追加取材もした。文中に引用させて頂いた桑田さんの発言は、出典を明記しているもの以外、すべて直接ご本人に伺ったものから構成している。しかし一貫して言えるのは、サザンオールスターズの「作品」こそが主役の本、ということだ。
(本文より)


昔々、"軽薄なノリ"が名誉であり、ヤンチャなものに対してやや寛容な時代があった。
ついつい、調子に乗ってそれをやめそびれた我々は、
未だに「まともな音楽人」として衆人に認知されていない。
ーーーサザンオールスターズ・桑田佳祐


目次
序章・サザンオールスターズ誕生
1章・1978年~「勝手にシンドバッド」の衝動と「いとしのエリー」の老獪さ
2章・1981年~「ミス・ブランニュー・デイ(MISS BRAND-NEW DAY)」で得た自信
3章・1985年~2枚組大作『KAMAKURA』は「終わり」の「始まり」
4章・1987年~デビュー10周年 復活を告げる「みんなのうた」
5章・1991年~甘くてしょっぱい「涙のキッス」でチャートを席巻
6章・1995年~「マンピーのG★SPOT」誕生の瞬間
7章・1999年~新たな代表曲「TSUNAMI」が描く「侘しさ」とは
8章・2003年~不退転の覚悟と『キラーストリート』の充実
9章・2008年~スタジアムも泣いた「無期限活動休止」の夜
10章・2019年~下を向きがちな世の中にこそ“SMILE”を
終章・2023年~バンドの半世紀へ向け、桑田から届いた本音のメッセージ
あとがき


◆著者プロフィール
小貫 信昭 (おぬき のぶあき)
1957年東京都生まれ。1980年、『ミュージック・マガジン』を皮切りに音楽について文章を書きはじめ、音楽評論家として 40年以上のキャリアを持ち、 長年にわたりサザンオールスターズの魅力を言葉として紡ぎ続けてきた。著書に『歌のなかの言葉の魔法』『小田和正ドキュメント1998-2011』『Mr.Children 道標の歌』『槇原敬之 歌の履歴書』など。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

サザンオールスターズのデビュー(1978年)から2024年頃までの46年間を綴った書籍。
改めて、休止期間はあったとしても40年も第一線で活躍しているバンドは他にないし、ほぼ全曲を作り続けている桑田佳祐という人物はすごすぎる。
やはり曲先で曲を作るので、メロディーが耳に残るし歌詞の内容がわからなくても「なぜか聴き入ってしまう」曲が多いのだと思う。
最近の曲は桑田さんが歳を重ねたこともあり、平和寄り、社会問題寄りの曲が多く、個人的には20代・30代のイケイケの頃の曲が好き。
この本を読んで自分も曲を作ろう、歌詞を書こうと思ったので、1曲作って見ようと思う。
それを売りたいというよりは、今この歳で自分が考えていることを何かしらの形にして残したいという思いが大きい。
日記みたいな役割のイメージ。

これからもサザンオールスターズには末永く新曲を生み出し続けてほしい。
そして、もう一度ライブに行きたい。

0
2025年07月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

曲を聞かずに読み進めることはできないくらいに、まるごとサザンな一冊。バンドの成り立ちから日々の葛藤、時代背景・雰囲気と曲解説が主な内容。欲を言えばよりコアな一面も見てみたかったな。
あと聞き手はつい音楽でアーティストをはかりがちだけど、そりゃそうじゃない部分もあるよね、と内省したりもした。

大人になるにつれ、幼い頃あるいは若い頃の自分は消えたと思いがちだけど、それも抱えて私たちは大人になった。だからきっと自分のどこか片隅であの頃の自分が生きていると思っている。
桑田さんもきっとそうで、「メンバーと一緒に居れば、バンドを始めた頃の自分たちに、いつでも戻れる」のは、それを象徴するいい言葉だなぁと思う。

ここまでサザンオールスターズを追求した作者に盛大な拍手を送りたいし、今もなお老若男女に愛され続けるサザンオールスターズに最大級の感謝と愛を伝えたい!

0
2025年02月22日

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