あらすじ
テストステロンが人間の体に与える影響は強大で、遺伝子や文化と協調し、男女の身体と行動を多種多様なものにする。
人間の行動に性差がある理由について意見は分かれるが、科学的には明らかである。
しかし、だからといって、ジェンダーの不平等さや家父長制的な価値観を支持することはない。
むしろ、テストステロンを理解することは、私たちは自分自身と互いをよりよく理解し、より公平で安全な社会を築くことに繋がるはずである。
テストステロンはヒトの心を、身体を、行動をどのように形成するのか?
本書は私たちがテストステロンを深く理解する機会を提供し、「ヒトとは何か?」という問いと改めて向き合うきっかけを与えるだろう。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
初めて、人間の性差がxとy染色体だけではないことを知った。
テストステロンの分泌量やその時期によっても、自分がどういう性格になるかや、どういう人を性的に見れるかってたところが決まるんだなぁと思った。
Posted by ブクログ
感情や意識を作るのは脳だと思っていたが、少し考えが変わった。何なら、この世界すら、ホルモンが作ったのではないだろうか。男性が性欲、エッチなことに脳や意識が支配されるのはテストステロンのせいだし、女性だってホルモンの影響を受ける。女性にも男性の比ではないが、テストステロンはある。不機嫌、攻撃的になるのもホルモンの影響を受けている。つまり、子孫を残したり、階層序列化、戦争を起こしたりする事にも、ホルモンが影響している。尚、トランプの血液分析する機会があり、テストステロン値が高い事が分かっているらしい。IQや免疫力と同じくらい、この世界はテストステロンが支配している?
ー オスは繁殖に適した状態のメスに対して暴力を振るう傾向があり、メスは自分に対して特に攻撃的だったオスに対して優先的に交尾させ、その雄の子供を産む。
ダメンズを好む本能。ヤンキーがモテる理由。これはやめて欲しい。ちなみに著者は女性であり、この記載により男性が女性に対し暴力的になる事はないように、釘を刺す。
ー 動物の場合、ホルモンはおもにタンパク質からなるペプチドホルモンとステロイドホルモンの二種類に分類される。ペプチドホルモンには、インスリンやメラトニンなどがあり、タンパク質の構成要素であるアミノ酸が連結することで作られている。ステロイドホルモンには、テストステロン、ジヒドロテストステロン(DHT)やアンドロステンジオンなどのアンドロゲン、そしてエストロゲンなどがあり、これらはすべてコレステロールから産生される(コレステロールは、細胞膜の主要な構成要素であるだけでなく、ステロイドホルモンの原料でもある)。ホルモンはさまざまな内分泌腺や内分泌組織で作られる。メラトニンは松果体で産生され、テストステロンとエストロゲンは精巣と卵巣(および脂肪組織などのほかの組織でも)で産生され、インスリンは膵臓で産生される。ホルモンは、血流を介して体内を循環し、体のさまざまな部位へ情報を伝達する。実際ホルモンは、血液が通うところであれば、どこにでも運ばれるため、体内のさまざまな部位を循環している。
男女の分岐、トランスジェンダーにもテストステロンが関係する。
ー SRY遺伝子によって糖巣が形成され、テストステロン濃度が高くなることで、ヒトは男性と女性という二つの性に分かたれる。男性の場合、テストステロンは、おもに精巣から血中へ分泌され、脳や全身のあらゆる細胞に存在するアンドロゲン受容体で受け取られる。アンドロゲン受容体の鍵穴に、鍵であるテストステロンが突き刺さると、この複合体は細胞内の核へと移動する。すると核内の特定の遺伝子だけが転写され、新しいタンパク質が翻訳される。
つまり、分泌腺が脳における嗜好を形成するならば、脳単独で感情を生じているわけではないし、思考や意識における内受容感覚には、臓器が関係しているという考え方がよく分かった。他方で脳がホルモンの分泌を促すわけで、結局は、脳と身体の相互作用と捉える方が正しいだろうか。
その社会全体のテストステロンを減らす事ができれば、ジェノサイドにも武装解除にも繋がる。クラファンで女性だけの社会を作ろうと呼びかけていた人がいたが、中々の行為だ。