あらすじ
政府・自治体や企業から独立した民間の非営利団体・組織=NPO。阪神・淡路大震災後のボランティア活動以降、広く知られる。近年、子どもの貧困や孤独、気候変動など新たな社会課題が顕在化すると、行動の中心となり、活動分野と範囲を拡大。かつての会社や地域社会のような人と人を結び付ける「中間集団」が細るなか、その受け皿としても注目される。本書は、歴史、制度、存在理由から特性まで、把握しづらい実態を描く。
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Posted by ブクログ
SFC宮垣先生の著書。今や社会活動に不可欠な存在であるNPO。なんとなくわかっているような気になっているが、ちゃんと理解しなければということで購読。古くから行われていたNPO的な活動から始まり、現代の状況に合わせた活動まで、経緯や変遷がよく理解できる。また、ボランタリーな運営だからこそできることは多いが、同時に、指揮命令系統や持続性といった点では、複雑さを抱えている。目的合理的より価値合理的な活動というのはNPOの本質なんだろうと思うし、最近のスタートアップもこういう傾向を持っていると思う。行政、企業との連携を図る上でも、参考になる考え方が詰まっている。
Posted by ブクログ
入門書というと作り方的な本ばかりが多いのですが本書はそうではなくNPO的なものの古代からの系譜、現代における歴史とデータ、経済学や社会学的な理論的な位置付けなど、NPOという一言では語りにくく、だからこそわかりにくさや時にはうさんくささが出てしまう存在について幅広く丁寧に語られています。今後の社会や地域コミュニティににおいて帯にもある”不可欠”度合いはどんどん高まっていくと思いますので、本書をきっかけに少しでも関心を持っていただいたり、不信感のフィルターを外すきっかけが拡がることを願っています。