あらすじ
死者から届く「死ね」というメッセージ……。
女子高生の間で連鎖する死の真相とは!?
「青春の危うさ。言の葉の呪いは葉脈を辿るように広がっていく。」
――鈴木絢音さん(俳優)推薦!
北海道のとある町で暮らす女子高生の湊。彼女は継母と険悪な関係で、早く自立するためにパパ活をしている。ある日、湊の友人・飛鳥のスマートフォンに、事故死した中学時代の友人・美保から「死ね」というメッセージが届く。それから間もなくして凄惨な出来事が起こり……。湊の周囲で連鎖する死の真相とは? 思春期の残酷な同調圧力と心の闇が描かれた、第22回『このミステリーがすごい!』大賞・隠し玉。
(著者情報)
上田春雨(うえだ・はるさめ)
1986年、北海道生まれ。筑波大学社会学類卒業。現在は記者として新聞社に勤務。第22回『このミステリーがすごい!』大賞・隠し玉として本作でデビュー。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
物凄く読みやすかったし王道って感じで面白かった。言葉は使いようになっては凶器になる。
犯人は最初から分かっていたけれどその後の展開は想定外かつイヤミスな終わり方でゾッとできた。
PINEというメッセンジャーアプリでの様子がリアル。炎上の恐ろしさ。
Posted by ブクログ
『呪詛』という言葉に惹かれ、この作品を読みました。
どんな災いが起こるように呪ったのか…
そんな事を思いながら読み進めました。
確かに呪詛はありましたが、そこだけではなく、高校生たちの言葉から起こる同調圧力みたいなのがとてもリアルに感じました。
呪詛=ホラー。なイメージもありました。
でも、この作品を読んで違う呪詛もあるんだなぁ。と思いました。
彼女たちの生きづらさや起こった事件など、心が痛くなりましたが、内容が新鮮でとても面白いミステリー小説でした。
Posted by ブクログ
このミスの隠し玉、若干の甘さは見られたが、十分に楽しめた。
主人公は高校生、人生で最も楽しい時期にあるはずなのに、様々な問題を抱え、何とか明日に希望を繋いで生きているのが切ない。
そしてその主人公を取り巻く友人たちもまた然り。
友人たちは次々と消えていくが、残った者たちがどうか幸せを掴んでほしいと思う。
Posted by ブクログ
上田春雨さんの作品初めて読みました。2025年初作家、24人目です。このミス大賞の隠し玉作品。
呪詛をということだけど、ホラー感はなかったけど、主人公が共感が持ちづらいタイプ。
ダークヒロインとは言うけれど、人によっては受け入れられない人もいるんじゃないかなぁ。
文章は読みやすくって、サクサク読めました。
Posted by ブクログ
タイトルからしてオカルト的な内容かと思ったけれど、しっかり人間くさいというか理にかなったお話でとっても読みやすかったです。
ヤクザや警察官、イジメや家庭環境など分かりやすいフラグがあるものの、最終的な決着のつけ方は想像できなかったので新鮮でした。
Posted by ブクログ
冒頭を読んだ時点では、それこそ「リング」や「着信アリ」のような正統的ホラーか?と思いきや、以外と現実的というか現代的な決着でした。
しかし、読んでいて一番コワかったのは、イマドキの女子高生の生態。
「葬式に参列してヒマだからって、スマホ見てる」というのには、引きました。
地の文が、良く言えば「無駄が無い」悪く言えば「味気無い」のは、上田さんの本職が新聞記者のせいでしょうか?
Posted by ブクログ
第22回『このミステリーがすごい!』大賞・隠し玉作品。
最初から最後までイヤミス感満載。
物語は一人の女子高生・美保の葬儀の場面から始まる。
その後「死ね」というメッセージが届いた同級生が次々と命を落としていく。
これは死者の呪いなのかそれとも…。
クラスメイトが参加しているトークアプリの内容が凄まじい。
匿名性を盾にした容赦ない言葉と同調圧力、行間から立ち上る悪意に胸やけしそうだった。
黒幕の正体は早い段階で予想が付いたが、リーダビリティ抜群で一気に読まされた。
悪意の連鎖、SNSの恐怖を思い知らされる王道のイヤミス。
Posted by ブクログ
ちょっと危うい「孤高のダークヒロイン」(解説より)でした。赤城さんに言われて祖母の死体を解体するはめになったときは、あーこのまま湊は落ちていくのか、、、とちょっと危ういどころではなかったですが。最後は片付けたい人たちが一気に片付くという綺麗さに逆におぉ、、、と感動してしまいました
頭が良くて切れ者ではあるけれど、継母に対して敬語を使っているところや、物置でじっとしているところなどから、何でも思い通りにできるわけじゃない、相手を陥れられるからといって度胸があるわけでもない、臆病で自由のない高校生という感じが伝わってきました
Posted by ブクログ
それぞれの苦しみから呪詛が生まれ、連鎖していく…弱った心に呪いの言葉が染み込んでいくのか…主人公の湊が高校生と思えないほど大人っぽく淡々としすぎて怖い・・・
Posted by ブクログ
人を呪わば穴二つとかいう次元じゃない!笑
みーーんなめちゃくちゃ!
ただちょっとしたことがきっかけで
嘘が事実になったり事実が嘘になったり
青春時代はよくあったなぁ。
次の日急に悪者になってるっていうね。
Posted by ブクログ
とっても胸くそな人間関係。主人公の境遇も悲惨なのだが、いかなる状況でもダークに切り抜ける知性と根性に、なぜか胸がすく。SNSの誹謗中傷は、確かに現代の呪詛と言えるし、不幸の連鎖というのも実際ありそうだな、と思ってしまった。
Posted by ブクログ
最近のこのミスは、結構ラノベっぽさが否めない。読みやすくはあるものの、全体的に軽いというか。内容的には面白かったけど、あまり深みは感じられなかった。
Posted by ブクログ
このミス、あわなくて、いっつも面白くないんだけどこれは良かった!さすが筑波大学出身。賢い人は小説もさっと書けちゃうんだなと、しみじみ。ただまぁ、極端だなとは思うんだけど、最近の若者はこんな感じなんだろうか。とても生き辛いね…闇バイトはやらないようにね…
Posted by ブクログ
ホラー風味のミステリ。
いじめ加害者と被害者の問題が根っこにあり、加害者側の湊が生き残るために全力を尽くす。
湊の父親に相応の報いがあることを願ってしまう。
Posted by ブクログ
※
とんでもなく用心深くて自制心が強い、
その上、賢さや狡猾さと身勝手さを持っている
アンバランスな危うさのある女子高生が主人公。
複雑な家庭環境で過酷な生活を送る主人公は、
どう見ても悲惨な状況のはずなのに、
負けない、へこたれない、そして諦めない。
高校生という設定なのに、その折れない姿は
魅力を通り越して感心しかない。
友達が次々と不遇の死を遂げていく中、
主人公自身も恐怖に苛まれているはずなのに
謎を解き明かすため、果敢に攻めていく様子に
最悪の状況だからこそ、より一層生命感を
感じさせられる。
ホラー的でミステリーでもある話の中で、
ブラックでクールな女子高生が活躍する
内容は暗いのに爽快なお話でした。