あらすじ
社会学は、みんなにとって大事なことについて、しっかりしたデータにもとづいて考え、それを表現する営みです。 ・自殺を少なくするにはどうすればいいだろうか? ・どうしたら、みんなにとって居心地のよい職場ができるだろうか? ・災害からの復興って、何がゴールなのだろうか? 社会学は、たとえばこんな問題に取り組んできました。さあ、次はあなたの番です。この社会の複雑な問題をなんとかしたいと思ったら、社会学があなたの力になります。
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Posted by ブクログ
社会学者というと、キャッチコピーで勝負する広告会社の人みたいで、学者としては何だか浮ついた存在、という印象を持っていた。本書を読むと、社会学者がなぜそうした印象をもたれかねないスタンスをとるのかがわかり、「社会学、大事かも」と思わされた。著者があとがきで書いているように、社会学を「合意形成の技法」ととらえ、それがどのようなものであるかを、やさしい言葉で的確に説明している。プリマー新書やジュニア新書によくあることだが、文体はソフトながら内容的にはかなり難しいことを密度濃く語ろうとしている。「やっかいな問題」「被害構造論」「サードプレイス」「感情労働」「弱い紐帯の強さ」「流動的近代」「中範囲の理論」「厚い記述」等々、社会学発の様々な概念にも触れられていて面白い。「規範的な学問」「社会運動」としての社会学という、その学問特有の構えとでもいうべきものも強く打ち出されていて、著者の思いが伝わってくる。
Posted by ブクログ
社会学という、名称だけでは何をやっているかよくわからない分野について、わかりやすく解説されている。
こうあって欲しい、こうあるべきだ、という規範的な思いを起点に、特定の社会的現象にフォーカスし、その解決を目指して、現状の構造化や解決策を見つける分野であると理解した。
どんな分野にしろ、こういった問題解決のアプローチは根底にあるべき思想かと思う。
Posted by ブクログ
社会学とはなにか知らずに読んだ。
簡単にいうと社会学とは、社会のために良さそうな規範を共同で作って行くこと。ある事柄に関して対話をベースとして人の話や文献・資料からインプットし、分析して暫定理論として提言していく。その一連(プロセス)全てが社会学であると僕は認識した。
社会学は知るだけではピンとこない。実践に移して初めて、社会学が何のためにあるのか分かる気がする。
僕の感覚ではあるが、社会学的アプローチは調査・分析をベースとするので、効果的な分野としてはすぐ答えを出さないといけない事象でなく、長期的な事柄に対してだろなと思っている。
できる範囲で人の話を聞き、分析して、よい社会を作っていけるようにしたいと思う。
民主主義のデメリットとして衆愚政治になる恐れがあるとよく言われるが、社会学的アプローチで見出した提言もPDCAを回して規範がうまくいってるのかそうでないのか確認し続ける必要がある。
社会学的考えは固定的なものではなく、あくまで暫定的なものと捉え、時代や環境の変化に応じで動的なものにしないと逆効果な恐れがあると思う。