【感想・ネタバレ】イエスは四度笑ったのレビュー

あらすじ

キリスト教において正典とされる四つの福音書のどこにも、イエスの笑いは出てこない。だがナイル川流域の土中から1970年代に発見された『ユダの福音書』では、イエスは四度笑っている。一人のグノーシス主義者によって書かれたこの笑いはいったい何を意味するのか。じつは四度ならず、イエスは大いに笑ったのだ――『寅さんとイエス』で、イエスが寅さんのようなユーモアに満ちた存在だったことを描き出したカトリック神父が、聖書のミステリーに挑む。 【目次】はじめに/第一章 イスカリオテのユダと『ユダの福音書』/第二章 イエスを四度笑わせた『ユダの福音書』/第三章 正典福音書におけるイエスの〈怒り・苦しみ・悲しみ・喜び〉/第四章 正典福音書におけるイエスの〈ユーモア〉/第五章 正典福音書におけるイエスの〈笑い〉/追記1 聖夜を前に聖書ひもといて/追記2 ガザの「壁」/おわりに

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Posted by ブクログ

イエスは人でもあったので当然喜怒哀楽があったはずだけど笑ってるシーンは聖書に出てこない。外典では笑ってるけど、まぁ嫌な奴になっていて、グノーシス派はろくなもんじゃないと思った。
新約聖書の見どころ読みどころであるイエスの頓知バトルの中には、どう考えても真顔でやってる会話じゃないよね、一本取られた〜って苦笑いしてたりドヤったりしてたよね、というのが読み込みで見えてくる。第一、人と飲んだり食べたり喋ったりが好きで、弱きを助け強きを挫く男だったイエスが笑ってなかった訳ないじゃん、という著者の力強い語りに圧倒された。
軽い語りの中で今、神について考える切迫した意味が感じられた。この世界には救いようのない悲劇が溢れているけれど、イエスがそういう奴であったなら神もまた本来はそういう良い奴の筈なのだ。

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2024年06月13日

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