あらすじ
しがない私立探偵・烏間壮吾(からすましょうご)の足元に横たわっているのは、後頭部から血を流した自分自身だった。戸惑う壮吾のもとにやってきた、自分のことを「天使」と言い張るくたびれたサラリーマン風の男性と、「悪魔」と名乗る美しい女性。彼らの役目は、死んだ人間の魂を天国か地獄のどちらかに運ぶことらしいが、手違いにより壮吾はうっかり死んでしまったと明かされる。生き返る条件は、彼らの仕事である「魂の選別」の代行をすること。半ば強制的に仕事を手伝うことになった壮吾は、様々な事件に巻き込まれていく…。
新世代ホラーミステリーの旗手・阿泉来堂の新境地!
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Posted by ブクログ
探偵ものは好きだけど、逆行…と躊躇してましたが面白かった!まぁ天使やら悪魔やら出てくるのでファンタジーな設定ではあるものの、何故この人は死んでしまったのかという謎を追っていくのは面白かった。
Posted by ブクログ
ある日何者かに殺された探偵の烏丸荘吾の元に天使と悪魔を名乗る中年男性と美女から生き返ることと引き換えに『魂の選別』を行うよう指示され、三件の殺人事件を経て人の死と向き合っていくストーリーだった。『阿泉来堂作品にしては今回はストーリーに力をいれて、どんでん返し要素は控えめだな。』と思って読んでいたが、最後の最後にまさかのどんでん返しでまんまと騙された。「これだから阿泉来堂作品は油断ならない。」という満足した気分になった。
Posted by ブクログ
しがない私立探偵の烏間壮吾は、気がつくと自分の死体を見下ろしていた。その場にいた美女とくたびれた中年男性は悪魔と天使で、烏間は手違いで死んでしまったのだという。生き返る代わりに死者の魂の選別を行うことになる。対象者の死の数時間前に戻されて死の真相を調査し、天国行きか地獄行きかを決める…。
ホラーが得意な作家さんのようだったけれど、今回はホラー要素はなし。初っ端から主人公が死んでいて、何があったかの記憶もない。主人公が死んでるところから始まるのはゴーストトリックというゲームと似ていると思った。
他人の死後に呼び付けられ、自分の目で得た情報から死者の素性を特定し死の要因を調べる。生きている対象者に遭遇してもこれから死ぬことは告げてはならず、死の運命は変えられない。なかなか厳しい条件だと思う。信用できない天使と悪魔に振り回されながらも死因を特定しているので烏間は結構優秀な探偵なのでは?
転落死した女性、首吊り自殺した男子高校生、探偵の元先輩の3つの死について調べることで烏間自身の死の真相にも近づいていく。全体的に救いがある(と言っても人は死んでいるのだけど)感じで面白く読めた。
Posted by ブクログ
あの世の手違いで命を落とした主人公烏間壮吾が天使と悪魔から「生き返らせてやるから仕事を手伝え」と。その仕事とは対象者である命を落とした人間が天国に行くか地獄に行くか死因等を調査して判断すること。
何日も前に時間を逆行するとか霊体みたいな感じで認知されない存在で・・・とかならともかく、死ぬ数時間前に戻されて対象者を調査するところから始まって取り巻く環境や死因を調査ってあまりにも無理ゲーというか。それでいてちゃんと結論だせちゃうあたりちょっとご都合主義っぽくも感じてしまった。
そして烏間本人の死因?が一番の謎ではあるんですが・・・真相がこれまたちょっとご都合主義っぽさが。殴って死なないまでもいい感じに気を失わせるとかさらっとできるものなのか?気にしすぎなのかな?
各話の死因についてはどれもハートウォーミング・・・まあ死んでしまってるのでハッピーエンドでもないんですが、いい話ではありました。