あらすじ
桐小路馨も、とうとう、人間らしくなったということか。
「異能」という枷を捨て互いのために掴んだ、この上なく幸せな恋
わたしにはどういうわけか、人を縁取る光が見えるのです──。桐小路侯爵夫人として、少しずつ馨と夫婦の絆を深めていくたまき。人の生死を見ることができる異能で、馨の「継ぎもの」の手助けをしようと意気込むが、奉公人の少女サチの輪郭の光がある日突然見えなくなり、自分の異能に疑念を抱き離婚を申し出る事態に。さらにサチに関連して貰い子殺し事件に巻き込まれ…。契約結婚で始まった恋が花開く春の物語。
龍本みお・装画
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Posted by ブクログ
帝都契約結婚その2。
前作で練習していたダンスを披露する機会が来て、
義姉が自分の古いドレスをもってお針子と乗り込んでくるところが面白かった。
たまきは美人じゃない分、少女の面影が残っていてレースや小花が良く似合うと、
と褒めてるのかけなしているのかよくわからないことを言いながら。
あとは桐小路がやんごとなきアオ相手にのろけているところも。
結局、たまきの見ていた人のまわりに輝く光とは何だったのか。
死ぬ間際だけではなく絶望している人にも光は失われているようだったが、
あまりはっきりさせないまま終えたのはよかったかも。
時代設定的に太平洋戦争の影を匂わせながら、
侯爵家の継ぎものの力を終わらせるのは、ちょっと寂しい終わり方だった。
全体的にトーンが落ち着いた感じだったから、
そんなものかもしれないが。