あらすじ
いつだって、人生の負け組だった。
それでも、
今日、食べた朝ご飯。
今日、歩いた道。
今日、聞いた音楽。
今日、話した友達。
奇跡は少しずつ転がっている。
「病気を抱えながら生きてきた私の過去をいつか映画にしたい。小田、映画の原作になる本を書いてよ」。
この西山の言葉から全ては始まった。
新型コロナによる3ヶ月の休校期間を使って、私は西山の16年間の人生を書き上げた。
「今日も明日も負け犬。」というタイトルをつけて、ネットで100冊自費出版した。
高校生たちによる自主製作映画は西山により監督され、eiga worldcup 2021最優秀作品賞を受賞した。
「小田、本書いてよ」の一言で始まったこの物語は、商業出版という形で新たなスタートを切ろうとしている。
――小田実里
起立性調節障害という病を抱え、学校に行けなくなった中学生の実話に基づく感動の物語。
16歳で書いた鮮烈なデビュー作。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
起立性調節障害。病気と戦う少女の心情は想像してもしきれないだろう。成長と共に奇跡を起こせることを語っている。病気に苦しんで生活している多くの人の支えになると共に、健康に暮らせている人々に多く伝わって欲しいと感じた。『今日も明日も負け犬』。自分はいつ勝ち組になれるのだろう。負け犬のままでも今を生きれば良いと教えてくれる1冊です。
Posted by ブクログ
将来、映画監督を目指す中2の夏実がある日突然、起立性調整障害を患ってしまう。苦しみもだえる中で再起への手掛かりをつかんでいく物語。本当に辛そうだった。
Posted by ブクログ
全体として、10代の高校生が読めば感化されたり、心を動かされたりする作品だと感じました。
以下は、私が特に気になった点です。
第1章では、主人公・夏実が中学入学を機に、それまで12年間続けてきた人見知りをやめ、「人との関わりを第一に大切にしよう」と決意してクラスメートと仲良くなります。ただ、決意しただけで長年の人見知りを克服できるものなのか?という点には、少し疑問が残りました。
また、本作では「起立性調整障害」について描かれており、病気について知るきっかけにはなると思います。ただ、高校入学以降にその症状がどうなったのかも気になりました。