あらすじ
「孝は徳の本なり,教えの由りて生ずる所なり」──孔子がその高弟曾子に,「孝」について説いた『孝経』.「孝」とは何か,「孝」によってあるべき世をいかに実現しうるかを語る本書は,『論語』とともに読み継がれ,東アジアの伝統的な道徳観の基底をなす,儒家の経典の一つ.曾子学派が師の言動と思想を伝える『曾子』を併収する.※この電子書籍は「固定レイアウト型」で作成されており,タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています.また,文字だけを拡大すること,文字列のハイライト,検索,辞書の参照,引用などの機能は使用できません.
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Posted by ブクログ
孔子とその弟子の曾子が記した「孝経」、曾子門下が師の教えをまとめた言行録「曾子」。
「孝とは(あらゆる)徳の根本であり、(すべての)教えがそこから生まれてくるものだ」。家族にまごころをもって接する。親を愛する人は、同じように人を愛することができる。親を敬う人は、同じように人を敬うことができる。家庭での人間関係がそのまま社会に出た後如実にあらわれるから、親と子の接し方こそが非常に重要。2000年以上前に書かれた書物だが、現代に重要な示唆を与えている。
曾子によると、孝は親に盲目的に従うことではない。親も人間だから、間違えることもある。だから、親のことを慮ってそれを真摯に伝えることも子の役割だとする。時に諌めることもありながら、けれど自身の体を授けてくれた親に感謝し敬う。そして、家庭という胎内から社会に生まれ出ると、そこでまた多くの人に生かされる。家庭の延長線上にこそ、社会はある。
人を愛し、敬うこと。相手を思いやる気持ちの重要性は、今も昔も変わらないだろう。
「曾子曰わく、忠は、其れ孝の本か。」
(曾子は言われた、忠(相手を思うまごころ)こそが、孝の根本だろう)