あらすじ
幼馴染みの充樹をずっと好きだった結衣。でも彼が想っているのは私の姉――。辛い恋を忘れるために踏み出す決意をしたら、プロポーズされて!?真意がわからず戸惑うけど「ほかの男になんて、誰がやるか」胸の頂を甘く攻められ、熱い剛直で最奥まで貫かれる。身代わりのはずなのに、愛されている気がしてしまい……? 拗らせた初恋が動き出す、甘く切ない恋物語。
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Posted by ブクログ
再会愛×幼なじみ×一途ヒーロー。
まさに“本郷アキさんらしさ”がぎゅっと詰まった一冊でした。
長い時間を経ても変わらない想いを抱き続けたヒーローと、
過去の傷に怯えながらも再び恋に向き合おうとするヒロイン。
一度離れてしまった二人の距離が、少しずつ丁寧に、でも確実に縮まっていく描写がとても印象的でした。
ヒーローは穏やかで包み込むような優しさの中に、
一度手放したヒロインを“今度こそ離さない”という強い意志を秘めていて、
彼の言葉や仕草のひとつひとつに「これが本当の一途なんだ」と感じさせられました。
恋人としてではなく、ひとりの人間として彼女を想い続けていた時間の重みが伝わってきて、
再会の瞬間や触れ合うたびの感情がとにかく切なく、甘く、胸に残ります。
ヒロインもまた、過去の痛みや不安を抱えながらも、
彼と向き合う中で少しずつ自分を取り戻していく姿がとても健気で、
「もう一度恋を信じていいのかな」と思うその揺らぎがリアルで愛しかったです。
物語全体を通して、派手な展開ではなく“心の再生”を描くような静かな愛が貫かれていて、
読後はじんわりと温かい気持ちが残る作品でした。
再会の切なさと、愛し抜く覚悟、そのどちらもが丁寧に描かれていて、
タイトル通り“それでもずっと”という言葉がしっくりくる、純粋で深い恋の物語でした。