【感想・ネタバレ】「世界の終わり」を紡ぐあなたへ デジタルテクノロジーと「切なさ」の編集術のレビュー

あらすじ

TikTok、ソーシャルゲーム、ミュージックビデオ、アニメ……
現代のカルチャーを横断する 〈セカイ系〉論の新境地!

「社会」を描かないものとして長らく揶揄の対象となってきた〈セカイ系〉。しかし、 その誕生が2000年代初頭であったことを思い返すと、インターネットの普及によって「世界」の意味するところにドラスティックな変化が起きたことを鋭敏に捉えた想像力でもあったのではないか。〈セカイ系〉をキーワードにアニメ・音楽・アート・哲学などを横断して論じる評論アンソロジー『ferne』が話題を呼んだ気鋭の論客・北出栞の初著作。

まるで「世界の終わり」だと思わずつぶやきたくなる時代を前にして、まずは沈黙のうちに自分の感情と向き合えないか。〈セカイ系〉という言葉は、私たちにそんな問いを呼び起こさせるように感じる(本文より)

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Posted by ブクログ

推し文化にまさに押し流されるようになり作品がコンテンツになった昨今、今更セカイ系を再考し現代のコンテンツに対してもセカイ系を見出しその文脈で批評するのがこの本だ。
しかしこの本は何と言っても論理が追いにくい。
というのも、作りて/受け手、社会/個人のような二項対立が無効化されることにこそ著者がセカイ系であることを読み込んでいるので、自ずと文章も着地した感覚が無くフワフワし続ける。
それでも、とうかだからこそ、現代の評価経済社会ゲームの自己説明を求められる枠組みから一時的に逃れる回路としてのセカイ系の必要性を感じた。

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2024年05月12日

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