【感想・ネタバレ】予測できた危機をなぜ防げなかったのか?―組織・リーダーが克服すべき3つの障壁のレビュー

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Posted by ブクログ

エンロン事件や9.11など、アメリカの事例を取り上げながら、目の前にある危機に対応できない組織や人の分析を行っている。
事例が近年のものでありケースとして役立つほか、ゲーム理論や組織論、心理学など非常に多面的な見地から分析されている点が興味深い。

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2012年07月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 予想してもいない出来事が起こるとよく「想定外」、「サプライズ」という言葉が踊る。しかしよく検証すると、予想外の出来事ではなく未然に防ぐことが加納ではなかったのはないかと言うことを明らかにしているのが今回の本。

 危機を防ぐ障壁のひとつの要因のひとつには「利権に群がるシロアリ」の存在が挙げられる。去年の福島原発で図らずも浮き彫りになった「原子力ムラ」。アメリカの大統領選挙を見ているとさまざまな団体が見返りを求めて献金をしている。「シロアリ」が群がっているワシントンDCか国連本部のあるニューヨークで「世界シロアリ会議」を開催したら、世界中からいろいろな団体の甘い汁を吸っているシロアリ様の御一行がやってくるのだろうとふと思った。

 情報が多すぎて情報を仕分けて必要な情報を選ぶことが重要なのだなと思った。あのニューヨークのワールドトレードセンターを2機の飛行機で追突させた9.11で、情報をうまく活用できていれば未然に防げた可能性がある。また、あのエネルギー業界の大手エンロンが引き起こした会計操作にしても、監査役の会計法人アーサー・アンダーセンをはじめとする会計事務所が本来チェックするための存在であった。ところがコンサルティング業務が収益の柱になっているために監査役をしている会社に対して耳の痛いことを言いづらい状況になったことから、公平な会計法人のあり方に疑問符がついてもおかしくなかった。にもかかわらず、政治的な影響力でアメリカ議会で会計法人に有利になるような法案が成立した。

 目の前にあっても見えないこともあれば、あえて見えないフリをしてやり過ごすこともある。人間の心理状況をどうすれば危機対応を適切に行なうことができるのか難しいところだ。ぶれない姿勢を身につけるにはどうすればよいのかと思う今日この頃だ。

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2012年03月31日

Posted by ブクログ

■危機予測
A.予見可能な危機には、明確な特徴がある。それは次の6つである。Ⅰ.指導者が問題の存在を知っていること、そしてその問題は自己解決しない。Ⅱ.組織メンバーが気づく時には、もう危機が鼻の先にきている。Ⅲ.問題に対処するとコストが発生するのだが、その恩恵が現れるのはずっと後になる。Ⅳ.予見可能な危機に取り組むには、しかるべきコストがかかる。Ⅴ.我々には現状維持をしようという自然性向があるため、予見可能な危機にそなえようとしない。Ⅵ.雄弁な少数派の存在。現状から恩恵を受けている特殊利益団体が、改革を阻止しようと必死になる。

B.人はある出来事を後から振り返るとき、現実が示すよりはるかに予見可能だったと考えがちになる。後知恵効果。

C.われわれには「楽観幻想」が備わり、問題が存在しない、あってもアクションをとるほどひどくないという判断を導く傾向がある。

D.与えられた問題の解決策を探しているとき、ひとはまず、自分の利益に基づいて特定の成果に対する自分の好みを決める。それから、何が公正かに影響する属性の重要性をあらかじめ変更し、その公正さを基準にして、自分の好みを正当化する。

E.実際の災害の鮮明さがないと、われわれの指導者たちは行動をとろうとしない。

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2014年01月06日

Posted by ブクログ

ジョン・F・ケネディーは、勇気とは「権力に対して真実を述べる意思である」といったとか。第9章に記述あり。

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2012年03月20日

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