あらすじ
【内容紹介】
よくないとわかっていながら、ついやるべきでないことをしてしまう。 温和な家庭を望んでいるのに、ついパートナーに厳しくあたってしまう。
一見矛盾している現象の背景には、合理的なシステムがあります。
その構造を俯瞰し、一見マイナスに見える行動や反応をする「わたし」の役割を理解し、受け入れ、内面を調和させることで、 本来の力が発揮できるようになるアプローチが、「内的家族システム(IFS・インターナル・ファミリー・システム)」です。
IFSとは、40年近い歴史を持つ、臨床から生まれたアプローチです。
IFSは、家族療法士である米国のリチャード・シュワルツ氏が開発した、トラウマ治療を得意とする画期的な心理療法として臨床の現場で発展し、数十年にわたり心理学を変革してきました。
近年では、日本でも注目を集めつつあります。
この本では、なぜIFSがトラウマの回復、依存症治療、うつ病治療などの分野で非常に有効なのか、そしてこの新しい意識の理解がいかに私たちの人生を根本的に変える可能性があるのかを学ぶことができます。
そして、この新しい意識の理解が、私たちの生活を根本的に変える可能性を秘めていることを学ぶこともできるでしょう。
さまざまな内省手法を試したけれど、 根本的に自分を変えられないと感じる人に向けて、臨床心理の現場で発展してきたその手法を、 第一人者が説く書籍です。
【目次】
第1部 内的家族システム
第1章 私たちはみんな多重人格
第2章 パーツがブレンドする理由
第3章 これがすべてを変える
第4章 システムの詳細
第5章 私たちの内なるシステムを見える化する
第2部 セルフ・リーダーシップ
第6章 癒しと変容
第7章 行動する「セルフ」
第8章 ビジョンと目的
第3部 身体の中のセルフ、世界の中のセルフ
第9章 人生の教訓とトーメンター
第10章 内なる物理の法則
第11章 セルフを体現すること ~セルフとして身体の中にいること~
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Posted by ブクログ
内的家族システムでは、人の心というのは、1つの人格のようなものがあってそれがいい言動/悪い言動をするのではなくて、「パーツ」と呼ばれるいろいろな個性をもったサブ人格のようなものが寄り集まって形成されているという考え方をするらしい。
恥を感じるパーツ、怒りで我を忘れるパーツ、自分を否定しするパーツ、など。自分の人生を振り回す、自分の中の「悪いパーツ」は、傷つくような経験をした際に、「もう傷つけられない」ようにと自分を守るために生まれたものであり、その当時は生き抜くために必要なものだった。
主題になっている『「悪い私」はいない』、というのはそうした傷を負った当時のまま時間が止まっている、自分の中の「パーツ」を敵として、押し込めて排除しようとするのではなく、内省し自己対話をしていくなかで和解していくことで、人生を生きやすくより良きものにしようということ。
パーツの概念は、インナーチャイルドの概念に近しいものを感じた。また、「パーツ」との和解を進めていくセッションの中で、患者の心に現れるという「セルフ」の概念は、エゴと真我の関係に似ているなと思った。
イメージワークが豊富で、自分の感情に圧倒されてしまったり無意識的に望まない行動をついとってしまうような人は試してみると、効果があるかもしれない。
全体的に、「感じる」ことがメインで科学的根拠はなく精神世界、スピリチュアリティが根底にあるように感じたので、科学至上主義/左脳優位なタイプの人はあまり受け入れられないかも。
Posted by ブクログ
想像以上に深い内容で驚きました。直前に読んだ本が多重人格の療法のものだったけど、まさにそれを深くしたような内容で、凄くスピリチュアル的でもあるけど、トラウマ治療とかは結局のところスピリチュアルなものと繋がっている気がしていたので、腑に落ちました。自分には必要な内容だったので、エクササイズを試してみようと思いました。
Posted by ブクログ
タイトルに惹かれて買いましたが、買ってよかった。衝撃的な本でした。トラウマ治癒の方法はよく知りませんでしたが、内なる自分を癒すのは、すべてのパーツを愛すること、つまり自分に優しい治療法、自己治癒力で人は回復するなんて神秘を感じます。エクササイズもとてもよく、内的対話に使っています。
Posted by ブクログ
とても興味深かった。
翻訳ならではの読みにくさは多少あったが、概念として、日々にも臨床にも取り入れていけそうな要素があった。
スピリチュアルや宗教観などが少し取り入れにくさにつながるかなと序盤思っていたが、少し工夫すればそこもこえていけそうなくらい、自分のなかでは納得できた。普段意識したり、なんとなく考えていたようなことを言語化してもらえた部分もあった。
マインドフルネスやセルフコンパッション、ACTにも届くような考え方で、自分のベースにしていけたらとも思った時もあったが、ただ何かははっきりしないが、もうちょっとだけ何かピースが足りない感というか、あれなんか少しだけ違うな感も出てきてしまった。取り入れて自分なりにアレンジすればそこも埋まるものなのか、試しにまず自分にやってみようと思う。