【感想・ネタバレ】儲けの科学 The B2B Marketing(ザ・B2Bマーケティング)のレビュー

あらすじ

日本のB2Bマーケティングの第一人者が書いた、
物語を読むようにB2Bマーケティングの全体像が学べる1冊

この本は「マーケティング・オーケストレーション」について書かれた、日本で初めての書籍です。

マーケティングの重要性やそれが自社の弱点であることは、日本の多くの経営者は既に理解しています。問題は何がどれくらい世界から遅れているのか、どんな要素が足りていないのか、具体的にどこをどう強化すべきなのか、そのためにどのくらいの予算を割り当てるべきなのか、を誰も理解していないことなのです。

本書は、マーケティングとセールスの生産性を引き上げる方法を「儲けの科学」として具体的に書いています。日本のバックオフィスの生産性は低くありません。ものづくりに至ってはいまだに世界一です。生産性が悪いのはマーケティングとセールスで構成される「売り上げを創る」部分です。そこを網羅的に、具体的に、分かりやすく解説しています。

マーケティングは戦略であり、企業文化であり、科学です。企業の中心にしっかり据えて「ナレッジ」と「人材」に継続して投資すべきものです。さらに強い企業に進化するためには、マーケティング部門だけでなく、経営層、営業部門、ものづくり部門がマーケティングの基礎を学び、共通言語としなければなりません。これが理解されていないことが原因で、マーケティングに取り組んだ多くの日本企業が行き詰まっています。日本のB2B企業が元気になる唯一の道は、ものづくり・マーケティング・営業の高度な連携によって奏でられるハーモニーのような、全体最適の「マーケティング・オーケストレーション」に取り組むことなのです。

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Posted by ブクログ

BtoBマーケティングに関して、今まで読んだ中でベストだった。
国内外でマーケティングがどのように進化してきたかの歴史を紐解きつつ、鋭利な視点で「なぜ日本企業はマーケティングが苦手なのか」を的確に論じている。
また、ABMやRevOpsのような最近の潮流が何故産まれたか、それを日本企業が取り込むためにどのような壁があるかを著者の豊富な経験に基づき事例も交えつつ解説しているところは唯一無二。

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2025年03月16日

Posted by ブクログ

分厚い本だけど、文字が大きめなこともあり、けっこう読みやすかった。
そして、概念的な話が多い中で、明日から使える内容もかなり詰まってる。

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2024年09月05日

Posted by ブクログ

いい意味で期待外れの本でした。
斜めから撮った分厚い本の写真がドンと載った広告といい、タイトルの「儲けの科学」といい、第一章の「製品が語りかけてくる」のオカルトっぽさといい、胡散臭いなあ、と思いながら読み始めましたが、中身は正統派で骨太なBtoBマーケティングの話でした。

ゴールデンウィークに読もうと思って買い込んだビジネス本の中では一番有益でした。特に製造業の人がBtoBマーケティングを包括的に学びたいときにはピッタリだと思います。

本書は、マーケティングオーケストレーションについて書かれた初めての書籍、とのことです。
マーケティングと営業(セールス)とは前工程と後工程の関係にあり、マーケティング部門は営業部門をリスペクトしなければならないとしきりに強調されています。
その他、研究・開発・生産などものづくり部門も含めたアラインメントの重要性、マーケティングのKGIである「受注」と相関のある指標(サンプル供給など)をKPIとして定義すること、全社的なデータ収集と整理によるハイジーンデータの必要性などが述べられています。
これらの課題に立ち向かうためには、全社的なマーケティングの責任者(CMO)を置き、CEOの経営戦略をマーケティング戦略に「編曲」することが必要とのことです。

本書では、上記のようなオーケストレーションだけではなく、BtoBでマーケティングを考えるうえで必要な基本的な知識が一通り得られる仕上がりになっています。DoVと呼ばれているバリュープロポジション、STP、4Pのほか、PPM、アンゾフのマトリクス、ホールプロダクトなどの基礎知識が含まれています。
さらにデマンドセンターやインサイドセールスの位置づけ、Account based marketing(ABM)とアカウントセールスの違い、代理店活用(PRM)まで紹介されています。

BtoBマーケティングの現在地がよく分かる一冊でした。

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2024年05月04日

Posted by ブクログ

B2Bのいちマーケティング担当者として、営業、ISなどの後工程との連動の大切さを改めて言語化いただいています。
good bye MQLsが衝撃内容でしたが、本質的内容と思います。

施策を縦糸だけではなく、横糸も通す布を作っていくことを進めていきます。

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2024年03月24日

Posted by ブクログ

日本のB2Bマーケッター古参の庭山一郎氏による著書。B2Bの歴史的変遷や海外(主に米国)と比較した日本企業の実態を知ることが出来、なかなか興味深い。セオドア・レビット氏の「ドリルを買いにきた人が欲しいのはドリルではなく穴である」という話はなるほどと思わせる。経営戦略を頂点としたマーケティング戦略含めたハーモニーが重要というのは説得力がある。
内容は面白いのだが、500ページ弱の2/3を使って日本企業のB2Bマーケティングの遅れを指摘する話なので、であれば第4部の実践的テーマをもう少し充実して欲しかったところ。特に旧シリウス・ディシジョンズ社のデマンドウォーターフォールモデルや第14章のパートナーシップリレーションマネジメントは馴染みのない話だったので実務家としての話をもう少し詳しく聞きたかった。P275の採用広告からオフィス移転しそうな企業を探す話といった生の事例がもっと読みたい。
あとBGCのPPMがGEと共同開発になってたり、護送船団方式の事例に自動車があったり、IEやOKRの後日譚まではなかったり、やや正確性に欠ける部分は気になる。とはいえB2Bマーケティング黎明期からプレイヤーとして市場に参加し、外資系企業を中心の顧客を持つ著者ならではの話は生きた事例で面白い。

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2025年08月05日

Posted by ブクログ

「マーケティング・オーケストレーション」がどういった概念か、庭山さんの考えが段階的に示されている想像通りの本でした。

昨今話題の「セールスイネーブルメント」や「Mops、RevOps」などにも触れていて、知識の吸収にはぴったりです。

日本の営業生産性が低い理由をマーケティングの視点で捉えて、営業マンと関わり方や理想的な組織構造など、体系的に分かりやすい書籍でした。

重宝していきます。

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2024年08月01日

Posted by ブクログ

営業にどう寄り添うか、理論中心のいわゆるマーケティング本より泥臭い感じが好感
自分の会社にもマーケティングがないと言われてきた意味が分かった感じがする

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2024年06月16日

Posted by ブクログ

400ページを超えるが字が大きいのと紙質が軽いので電車の中でもサーッと読める。
マーケティングとセールスの融合のために、セールスの人たちを尊敬しつつ汚いデータを綺麗に整えて、全社でマーケティングの知識を深めて偏差値あげていきましょう……言ってることはわかるが、マーケの末端の人間が読んでもどうしようもない。本書でもほかのマーケティング本と同様に組織作りとかCEO,CMOの意識から変えないとダメとか書いているが、じゃあ末端の私は何を感じとったら良いのかと。
ともかく、理想郷の姿はわかった。

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2025年01月14日

Posted by ブクログ

少し分量が多い本ではあるが、理路整然と書かれているのと、帯通り全体像は学べる。あと少し著者の過去事例が多いため、冗長に感じてしまう部分もあるが、とはいえ日本のマーケティングの弱さや組織的に分離されていることからR&Dへと繋がらない体質問題など、本質に切り込んでいるため、非常に勉強になる本

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2024年04月07日

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