【感想・ネタバレ】しをかくうまのレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

【言葉を使うヒト、の行く先…】
主人公がTV局での競馬の実況の仕事をしている世界と、もう一つの異次元的な世界とが、交ざり合っていく。


この題名が平仮名なのは、あえてその意味を固定せずに言葉で遊んでいる節があるー「詩を書く馬」「死を欠く馬」。

詩や言葉について、幾度も触れられている。

一頭でも多く馬の名前を電波に乗せるという使命感。

馬に付けられる名前。その言葉の重み。

語順。

ヒトが言葉を生み出す過程。生物としての進化、分岐。

人工知能を内在化する未来のヒト。


結果と意義。なんのための言葉?何のための進化?みたいなところを問うているような、でもはっきりとは示さない構成。ニーチェとかサルトルとかの思想を知っていると理解が深まるのかな。そういった部分が難しかった。


とにかく私にはまったく新しい切り口で、言葉を持つ人間界を少し相対化するような、逆に馬を少し神聖化するような、ユニークな視点で描かれた作品。

正直最終的に、漢字をずっと見てたら漢字じゃなくなる現象の、言葉バージョンみたいになってしまったような部分がある。

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2024年04月29日

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