あらすじ
被害総額60億円。大規模特殊詐欺、強盗、殺人。通称「ルフィ」事件にかかわった
実行犯12人の素顔
あまりに短絡的で、心も懐も貧しくなった~現代日本の写し鏡「広域特殊詐欺事件」実行犯たちの知られざる素顔に迫る!
フィリピンに潜伏し、指示をしていた今村磨人をはじめとする4人の幹部が強制送還され逮捕されたが、未だ被害は減っておらず、いまだに日本を震撼させている広域特殊詐欺事件。
2023年1月19日、狛江で強盗殺人事件が発生した。「ルフィ」を名乗る今村たちから指示を受けた、実行犯による犯行であった。実行犯、カネの受け子、アポ電などのかけ子など、犯人逮捕で次第に明るみになっていった構造。実行犯たちはいったいどうそうした犯罪に関わるようになったのか?
そこに透けてくるのは、犯行の動機はあまりにも短絡的で、周囲の環境の悪さだった。逮捕されたのは20代を中心とする若者であった。闇バイト、貧困、若者たちが直面していたものとは?
ルフィ周辺からどう指示され、どう仲間を集め、犯行に至り、逮捕されたのか?
実行犯たちの親族、近隣を訪ね歩き、その素顔に迫ったルポルタージュ。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
取材力がすごい。一人一人のストーリーを追っていくとクラスに1人はいる調子こき、無鉄砲、不器用な子が運悪く指示役と繋がってしまったにすぎないと感じる。自己責任の一言で片付けられない
「ルフィの子ども予備軍」の子は今後も生まれ続けるだろう、、
Posted by ブクログ
「ルフィ」関係の闇バイトに関わった人たちについて取材されていた。
所謂「底辺」らしい人生を送ってきた人だけでなく、むしろ名士と呼ばれる家の人まで関わっていたのが印象的だった。
Posted by ブクログ
俗に「トクリュウ」と呼ばれる犯罪に関わった者たちの一端が記された本。
許されざる犯罪を犯した者たちにも、不遇な時代がきっかけとなり人道を外れた、という理屈は分からなくはない。
だが、あまりにも身勝手で罪の意識の薄い者たちに同情の念は一切抱くことはなかった。
この手の犯罪は厳罰化せよという声もあるが、そうすると開き直ってさらに凶悪化していく恐れもあるため、慎重にならざるを得ないのだろう。
これからも同様の犯罪はどこかで発生する。
いかに自分を守るかに、意識をシフトしていく必要がありそうだ。