感情タグBEST3
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Posted by ブクログ
きたきたクローズドサークル。しかも意識的にその状況を作り上げようとして、人を寄せ集め重大発表を行うなんて、もうこれ人死にが出るの確定だと思い序盤からワクワク。
案の定、家主に始まり、集まった人達の内の一人が死体となって発見される。私は第二の被害者が意外だった。この人が死んだら後々子どもが可哀想だなぁとか、軽い理由だけれど。
それぞれが犯人を突き止めるため勝手に動き回るので、犯人のイメージがブレブレになった。
探偵からしてみれば、余計なことはしないでほしいと思ったのではないだろうか。
自分が被害者になるかもしれない状況で好みの女性に夜這いをかけようとした強者もいて笑った。
しかし、この小説の舞台となった館、住むのは維持が大変そうなので、何泊か泊まってみたい。絢爛豪華で、調度品や壁紙、床材等の描写を読むのが楽しかった。
シアタールーム、私も作りたかった…。
エピローグで明かされたゴーストライターについては、要らなかったと思う。作家がそのまま館で命を落とす最期の方が好み。(でもそれはそれでいろいろ不都合が出てきてしまうかも。)
下村さんが美津島に自分を投影してこの小説を書いたとしたら、やっぱり自分を殺したまま終わりにするのは抵抗があったのだろうか等と邪推する。
Posted by ブクログ
初めての下村敦史さん。有名な『そして誰もいなくなった』のオマージュということで…
大好きなクローズドサークルの現代版!
隠し部屋ありの赴きある邸宅、吹雪で身動きの取れない招待客、奪われる通信手段、うきうき設定もりもりだった。
色々な方が描かれてるオマージュなのに、クローズドサークルってなんでこんなに心躍るんだろう…
やけに邸宅の描写が細かく丁寧だなーと思ってたら実在する下村さんの邸宅なんだね、すご…
ただ実在する邸宅だからしょうがないんだけど寝る場所少なすぎて不便だなと思った笑
執事室なんでないのよ執事さん通いなの?って思ってた。
全体的な感想としては、オマージュだけど個性を!て頑張りすぎてちょっと斜に構えてるなと感じてしまった。
なんかずっと招待客が疑いっぱなしというか…ミステリ作家や編集者たちだから迂闊な人はいないんだろうけど「これが御津島先生の催しだとしたら…」とか「これがミステリ小説なら…」と慎重過ぎて緊迫感があまりないしクライマックスがよくわからなかった。ぬるっと隠し部屋が見つかったり被害者が発見されて、ぬるっと犯人が判明した。
以前読んだ知念美希人さんの『ガラスの塔の殺人』にベースは似てるなと思って、今やる『そして誰もいなくなった』のオマージュはこのへんが限界なのかなーって思いながら終わった。
でも全体としては満足だし他の作品も読みたい。
Posted by ブクログ
「著者初の本格ミステリー」という宣伝帯に惹かれて購入。何かが起こりそうな洋館とクローズドサークル、そこで殺人事件が起こってしまう…というストーリーは勿論、物語、そして事件自体はフィクションであるが、「『実在する自邸を舞台にした』という紹介文は本当のことだったのか❗」という小説外の仕掛けも面白かった。また、解決編後のエピローグでまた真相が明かされるという構成も良かった。