あらすじ
大不振のイチローをもっとも心配した男たちの物語。 記録に挑み、記憶に残るプロ選手の一挙手一投足を支える道具は、いかにして作られるか? イチロー、松井ら超一流選手のバット、グラブを作り続けた男たちの感動秘話!
イチロー&松井秀喜「独占インタビュー」収録! 「超一流の使い手」と「超一流の作り手」がしのぎを削る。
自信がないのは論外。過信も困るーー。
50~60個のグラブを「練習用」としてさえ受け取り拒否し、「名人を継ぐ覚悟」を問うイチロー。バットのグリップを1ミリ単位で調整し、「名人越え」を期待する松井。「からだの一部」と化す究極の道具を求め、あくなき要求を続ける。熟練の技術で応える男たちだけが知る「誇り」と「重責」ーー。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
落合博満さんがバット作り名人久保田さんにバットの太さが0.2mm違うと言ったくだりは圧巻。イチロー選手のグラブに対する拘りがあり、何回も作り直しさせてながらも、職人さんの為にも結果を出さなければならないという部分には感動しました。
Posted by ブクログ
バット作り名人・久保田五十一
グラブ作り名人・坪田信義
それぞれの後継者の名和さん、岸本さんたちの「極」を求めた職人魂。
プロ入り後、一貫して同じ形状のバットで高みを目指すイチロー。
常に形状・重さを微調整しながら進化を求め続ける松井。
彼らの打撃論の違いと野球哲学。
0.2ミリの誤差に気づきクレームをつけた落合とバース、その0.2ミリをこだわる理由。
通常バット用には使われない木目の大きなホワイトアッシュでの作成を依頼したピート・ローズの驚愕の打撃技術。
球種がバレるのも厭わず、遊撃手用の小さなグローブをつけマウンドに立っていた星野の心意気。
その意思を受け継いだ牛島と市販された牛島モデルのグローブを使っていたイチロー少年。
そこから始まる名人坪田とイチローの縁。
坪田の後継者が作った60個ものグラブを練習用としての使用も拒絶したイチローの究極を求める姿勢と後継者への篤い思いやり・・・
「匠道」深いです、深すぎ。
野球好きの人は間違いなくしびれます。
そして、久保田さん、坪田さんの人柄が素晴らしいです、まさに人格者です。
「雑な仕事はいけません。“ていねいさ”をずっと継続していく。それは自分の意識しかありません。
仕事の誇りや使命感、責任感とも無縁ではありません」
ついつい忘れがちなので、しっかり胸に刻んでおきます。