あらすじ
西暦2099年。9歳のエリロスとアイが暮らす超高層都市を、突如として真っ青な雨が襲う。強毒性の雨は洪水となって、接触した人々の命を次々と奪っていった。からくも崩壊を生き延びた幼馴染ふたりは歩行型の移動機械を駆り、変わり果てた世界に新しいかたちの文明を築こうと試みるが──四世代に及ぶ女性バディの活躍を通じ、TVアニメとゲームで展開される『SYNDUALITY』シリーズの、知られざる「はじまり」に迫る公式小説。
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Posted by ブクログ
『SYNDUALITY』シリーズの世界観を知るのに役立つ一冊。《ブルーシスト》が地上を襲った2099年から地下都市国家「アメイジア」が栄華を極める2222年までを、4世代にわたる女性たち8人の視点で追うことができる。
ちなみにゲームは2222年前後、アニメは2242年が舞台のお話。ゲームは未読なのでともかく、アニメとは作中の時代が一世代ぶん跨いでるためかジェネレーションギャップの香りをやや感じた。日本で例えるなら戦前とバブル期くらいの雰囲気の差というか。
とくに「新月の涙」こと《ブルーシスト》は、アニメの主人公であるカナタたち(アメイジア崩壊後生まれの青年)にとっては当然に存在する事象でありほとんど日常に溶け込んでしまっているので、2099年の初発生を目の当たりにした人々が驚き怯え逃げ惑う姿はかなり新鮮に見えた。
そこから生き延び知恵を継いで、ようやくカナタたちの時代に至ることを思うと人類の強かさを感じてアツい。ただ同時に、そうやって見てきたアメイジアの発展が、この少し後には崩壊してしまうことを考えるとちょっと切ない。
ストーリー面は各世代2人ずつの計8人の女性が主人公。
そして『SYNDUALITY』シリーズといえば「すれ違いの物語」。この時代にはまだメイガスが製造されていないので、どう回収するのかな(そもそもされるのかな)と考えていたが、この各世代の2人がそれを表していたのかなと、読み終わって思った。というのは、最初の世代では同じ歳の幼なじみ2人からはじまり、世代を経るごとに歳や身分が離れていき…最後の世代にはまた同じ歳の幼なじみとして登場したことが美しいなと思ったから。まあこじつけ気味なので関係ないかも。メイガス≒OIとするなら彼女たちとルーツさんの出会いこそが「すれ違いの物語」の「はじまり」という意味かも…これはオタクくんの捏造考察。とはいえ一緒なら前を向ける、闘える、成長できるという部分はやっぱりこのシリーズの味だと思った。
それはそれとして個人的に1番興味を惹かれたのは、エンダーズが「人間を知ろうとした」らしいところ。そのはなしくわしく。
同じ流れで気になるのはルーツさんのこと。 OIの培ったものがメイガスの開発に何かしらで引き継がれてたらうれしいなと思うけど…。そのあたりはゲームの方で明かされてるかもしれないし、確かめないといけないなあという気持ちになった。